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尾崎塾
富田教室

[2011年3月22日]

地震保険考

保険の会社の方は今回の震災でたいへんだろう。
支払の額も1兆円規模になるそうな。

今回のようなことがあると,地震保険の加入者が増えるようになると思うが,ちょっと待って欲しい。

別に保険会社の営業を妨害しようという意図はない。
結構,友人が保険会社に勤めていたりするし,応援したい気もする。

でも,私は基本的に保険には入らない主義。

たとえば,地震保険に入ったとする。

「俺のところは保険も入ったし安泰だ!」

となって,数年もすれば今回の震災のことも忘れてしまって,また大きな地震が来たりする。
地震なんてすっかり忘れているので,家具の固定もせず,家の中はむちゃくちゃ。怪我をして入院ですめばいいが。

保険というのは,このように油断を生む可能性がある。

大切なのはいつも地震が来ると思うこと。

地震保険に加入するお金があれば,そのお金で家具の固定をするとか。毎月1冊は地震の本を買って読むとかに使う方がいい。

その前に,倒壊する可能性のある家なら補強費に充てるとか。

地盤の軟弱な家に住まないとか。

津波の来ないような土地に住むとか。

そういう意識の方がずーっと大切。

保険に入っても地震は来るのだ。
津波も来るのだ。

保険に入って,家がつぶれて保険金が入るのが得なのか,地震が来てもつぶれない家に住むのが得なのか。

安全な家に住み,安全に暮らすには勉強も必要だしお金もかかる。
絶対に安全というのはないが,かなり安全性の高まる将来が買えるのだから,そっちにお金と神経を使う方がいいと思うのである。


ちなみに私の家は注文建築で,地盤補強の上に通常よりもかなり丈夫な基礎,太いしっかりした柱で立ててもらった。おそらくめったなことで倒壊はしない。震度7クラスでも家の中にいて大丈夫と思っている。価格は普通の住宅の1.5倍くらいしたと思う。家具は固定してある。だいぶ前のブログに書いたが,水は常に50リットル確保してある。活断層は近いが,真上ではないので揺れで倒壊しなければ大丈夫。土石流は来ない地形。川からも遠いし標高も50mあるので,河川氾濫や津波はまず心配ない。

日本人すべてが私の家くらい大丈夫そうな場所に住むのは難しい。大都市の平野部はほとんどすべて津波や水害の可能性大。山間部は土砂災害の危険地ばかりだ。なので,自分の家にどんな危険性があるかを知っておいて,備えておくことが大切なのだ。保険に入るのではなく(入ってもいいけど)津波が来たら逃げられる高台や高い鉄筋のビルが近いかどうか,知っておくとか。


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