[2011年4月23日]
英語を生かした仕事に就きたいという生徒がこれまでも数多くいた。
たとえば通訳とか翻訳とか。
それはそれで世の中の役に立っていいのだが,よく聞いてみるととてもそういったレベルになる具体的な道が描けていない。
とりあえず関関同立とか関西外国語大とかに入って留学でもすればなれると思っている。
私の考えでは,そのような生徒たちは通訳の仕事ができない。
できっこない。
もともとの英語力も低いし,それで短期の留学でもして本物の英語力がつくはずがない。
母国語=日本語の力もあやしい。
仮に,あちらで4年間でも過ごしたら日常の会話はできるだろうが,単に英語が話せても通訳はできないのだ。
たとえばビジネスの現場で通訳するのに,ビジネスの内容をある程度知っておく必要がある。
通訳する人が経済や経営に明るくないと誤った情報を相手に伝えてしまう可能性がある。
そんな危うい人は通訳としては採用されない。
逆に,昔阪急にいたバルボンがマルカーノの通訳をしていたみたいに野球がわかっている人なら,少々日本語がヘタでも意味がよくわかっているので伝わるのだ。(←たとえ話としては一部の人にしかわからないので不適切ですが・・・)
一方,私の教え子で今春に阪大の外国語学部に入学したH君はそのことに大いに気づいていた。それで不安もあるとも言っていた。だが,それに気づいて不安に思っていれば大丈夫だろう。また,国際教養大学に入学したT君も賢い選択だったかもしれない。秋田県にあるのだが,本気で英語力を身に着けている教養人を輩出しようとしている。各業界から最も注目を浴びている大学である。
教養はキーワードだ。国公立大学の学生は全員が多くの科目をしっかりと勉強している。私学は3教科とか,へたすると英語だけで入学している。世の中の様々なことに関心と知識を持つ人とそうではない私大の者では月とすっぽんと言えよう。
そもそも職業観の甘さというのが学力の差なのかもしれない。
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