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尾崎塾
富田教室

[2011年6月4日]

来年の選択科目を今頃提出させるなんて

昨日,複数の生徒が相談に来た。

公立高校で来年度の履修科目の提出をこの時期にさせている。

早すぎはしないか。

幸い,昨日来た生徒は自分の志望をしっかり持っていたので,進路を考えた時に最善の履修科目をアドバイスできたが,多くの高校生はまだ進路で迷っている状態だろう。

1年生は先日入学したばかりで,大学進学を見据えて履修科目を選べと言われても無理だろう。
この時期に選択科目の紹介やガイダンスを行い,進路の説明をして,夏にじっくり考えて秋に提出というのがまともな流れだと思う。

2年生にしても,まだまだ志望を絞り切れていない者が大半である。特に3年次の授業は進路に直結するのだから,もっと熟考する期間を与えてしかるべきだ。

それを学校側は6月に提出することを「強要」するのだ。
今提出して,もう変更は許さないという雰囲気。

これは,今集計して次年度の授業時数を確定させないと教員確保に動きづらいという学校や府教委の勝手な都合によるものだ。生徒側からすると進路選択を誤ってしまうリスクが大きく,何のための学校かと考えると本末転倒だといえる。学校が教員を確保するために,生徒の将来を熟考させずに決めさせているのだから。

大阪府は国歌斉唱の時に起立するとかしないとかが話題になっている。そんなことは生徒の進路にほとんど関係なく,もっと重要な履修のさせ方の議論なんてされていない。
学校に勤めている先生方もどう考えておられるのか。いや,何も考えていないのだろう。上からそう言われるから生徒にそれをそのまま下して,この時期に履修届を提出させている。お役所仕事をするのが公立高校の教員だということ。

罪だと思うのは,実は秋に変更を申し出たら変更できること。要は,数名の移動なら教員配当の都合上,支障はないので変更可能なのだ。
法律に詳しくはないが,夏に熟考して,やはり理系にしたいとか言ったらそれを拒否することは学校にはできないだろう。裁判になったら学校は負けると思う。もっとじっくり選ぶ権利は生徒側にあるはずだ。
つまり,都合よく6月に提出させたまま確定させるために変更不可能のように思わせるが,本当は権利を生徒側が持っているから変更を申し出て来られると認めるという姑息なやり方なのである。
実際のところ夏に考えてやはり違う科目にしたいと思っても,なかなか言い出せないものである。秋に変更を申し出ることのできる生徒は変更を認められ,おとなしくて言い出せない者は泣き寝入り状態になるのだ。

このブログを読んだ生徒,保護者の方は学校に確認しておくとよい。絶対に変更はできないのかと。おそらく歯切れのいい言葉は返ってこないはずである。

少なくとも6月には予備調査と称しておよその人数をつかむ程度にし,秋以降に最終の届を出させるように改善されることを強く望む。

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