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尾崎塾
富田教室

[2011年6月20日]

自由エネルギーのように生きる

今日の化学は熱化学。

一般に物質はくっついている(結合している)方がエネルギーが高い。
だからバラバラにするのにエネルギーが必要。
そのエネルギーを結合エネルギーという。
イオン化エネルギーも原子と電子をバラすのに必要なエネルギー。

自然界ではエネルギーの低い方へ反応が進むことが多い。
そのときのエネルギーの差が熱となって出てくるので,発熱反応が起こることが多い。

しかし,吸熱反応が起こる場合もある。
これはなぜか?

世の中にはエネルギーの減少する方向へ進む傾向とは逆に,バラバラになる(乱雑になる)傾向がある。
エントロピー増大則とかいうやつ。

なので,どちらの傾向がより大きいかで反応の進み方が決まってくる。

くっついてエネルギーを小さくする傾向をH
バラバラになる傾向を-STと書いて,
G=H-STという量を考える。
このGが小さくなる方向に必ず反応が進むといえるのだ。
Gをギブスの自由エネルギーという。
メリットとデメリットを比較考量してメリットの大きい方へ進むというのと同じこと。
世の中は単純なからくりでできているのだ。

なのに人間はよくわからない行動をする。
メリットがデメリットを上回るのなら行動するのみ。
なのにグズグズして動かない。
むしろ逆方向に動くような人間もいる。
喫煙なんかはどうだろう。
嗜好品として精神面でのメリットはあるだろうが,健康面や昨今の社会的な信用度とかいろいろなデメリットを考えると喫煙するなんてありえないほどだ。
なのに喫煙する人間は結構いる。

勉強して将来に備えた方がメリットが大きいのに頑張れない人も結構いる。
とにかく単純に,自由エネルギーのように行動できないものか。
そっちに動いた方がいいのだから。

えっ?動いているって?
そうか,反応速度が非常に遅いだけ?


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