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尾崎塾
富田教室

[2011年8月14日]

公立高校が消えてなくなる

大阪維新の会は、大阪府立、市立校の校長を全員公募し、予算要求権や人事権を与えることや、入学者数が定員を3年連続で下回るなどした府立高校は統廃合する内容を盛り込む方針を固めた。(朝日)

私の予想。
これでトップ校は別にして,ほとんどの府立公立高校は壊滅的な状況になる。
私立の優位が確定的となり,公立高校の半分は廃校となる。

大阪府で初の民間人校長となった中尾先生に,昨日たまたま私学展でお会いして,私も元気でやっている報告と名刺交換させていただいたところだが,中尾先生のような優れた人材はそうそう世の中にいるものではない。
ああいう先生がすべての公立高校のトップになればうまくいくだろう。
しかしながら,府立高校の校長を全員公募しても,本当にうまくやっていける能力のある人材は10名も集まらないだろう。
ということは150校におよぶ高校はロクデモナイ校長がやることになる。
現状でもたいした校長がいるわけでなく,何もいいことはないが,少なくとも教育現場を知っている人間が校長をやるわけだから混乱せぬようになんとかうまくやっていたわけだ。

それがどこの誰かわからぬ民間人が校長になると,それはさわってはいけないという部分も平気で改革と称して潰していく。
優秀な人が現在の学校のダメなところを見抜いて周到に改革するのは大歓迎だが,能力のない人が思いつきで改革を断行してもだれもついて来ないし結果も最悪になる。
ほとんどの公立高校は職員のやる気がなくなり,改革の旗だけが踊っていて何も実効性のない学校と化する。
そんな学校では生徒の得るものは何もない。

現状でもそうだが,教員が頑張るのは身分が安定しているベースがあって,生徒たちの成長の喜びという部分が大きい。
このうち身分の安定が危うくなり,教員の精神も不安定になり,生徒のためになるかどうか疑わしい改革に向かってやれと言われてもほとんどの教員は積極的に行動できるわけないのだ。

大阪府全体で見ると,そのダメになる公立高校の分を私立高校が補えばよく,授業料が安く抑えられるのなら府民の学力低下にはつながらない。
そういう意味ではどっちでもいいのだが,まあ数年間は何も知らずに中下位の公立高校に進学してしまって,制御不能の学校で無駄な3年間をすごす,あるいは中退する生徒がかなりの数に上るはず。
ちょっとした社会不安を起こしかねない。

こんなことはちょっと考えればわかりそうなものだが,それでも維新の会が票を集めて実行されたなら,それは府民全体の選択なのだ。
後で文句を言っても仕方ない。



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