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尾崎塾
富田教室

[2011年8月21日]

センター地学で高得点を取る方法

昨日の地学の授業で堆積環境の推移を考察する問題を扱った。

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環境を示すいわゆる示相化石として,アサリ・シジミ・ヌマガイが挙げられていた。
問題文にはヌマガイは淡水生であると書かれているが,アサリとシジミに関しては何も書いてない。
つまり,アサリは海水生でシジミは淡水生だということは他の何かで判断しなければならない。
厳密にはアサリもシジミもいろいろな種類があって,生息地域も重なっていたりするが,アサリは浅い海,シジミは汽水域ということで問題を解かないと正解を得にくい。
そこで必要になるのが一般知識なのだ。
そう,地学とか理科とかでなく,世間の常識が必要なのである。

試しに生徒に「シジミの名産地は?」と聞いてみたら,
「宍道湖」と即答してくれた。
これがわかっている生徒は間違いなくシジミが汽水だと判断できる。

実は地学が得点しやすい秘密はここにあるのだ。
世間の常識がわかっていれば,見当がつけられて正答しやすいのである。
逆に,そういう常識のない生徒にはいくら教えても得点が上がってこない。
そもそもアサリとシジミの区別がつかない生徒は汽水という言葉も知らなかったりする。
宍道湖もまず読めないし何県にあるかも答えられない。

これらを知っているか知らないかの境目はどこにあるのか。
おそらく高校入試のレベルで決定しているのではないか。
トップ校か2番手校くらいの生徒ならほとんどこの常識を身に着けている。
3番手以下からはあやしくなってくる。

地学で点が取りやすいと言えるのは,実はトップ校か2番手校の生徒にのみ通用するのだ。

他の例も挙げておこう。
今年のペルセウス座流星群は条件が最悪だった。
月明かりがあるのでほとんどの流星はその影響で見えない。
流星群が1年の特定の時期に集中するのは母彗星の軌道を地球が1年に1度横切るからだが,流星がお盆の時期に多く見られることから秋の季語に流星が使われるのだ。
お盆とかその時期が秋だとかいうのは国語で習うのかもしれない。
季語は国語で学ぶわけだし。
で,そういうバックボーンがあると,流星の軌道の話とリンクしてしっかりと理解できるのだが,これらの教養がない生徒にこの話をしても全く意味不明の面白くない話になってしまう。


結局のところ,地学で高得点を取る方法は中学の時から全教科の勉強をきっちりとやっておけという話。

普通の常識があれば非常に簡単なのだから。




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