[2011年9月4日]
心配していた通り,台風に伴って各地で被害続出のようだ。
TVで土石流による被害映像を見た方は「津波に似ている」という感想を持ったのではないか。
土石流は「山津波」とも言うくらいで,大量の水が土砂と共に家屋を根こそぎ押し流すので津波と同じようなものなのである。
今,日本中で津波に対する備えを心配しているようだが,実は日本は土石流=山津波の危険性の高いところに住んでいる人が非常に多い。
津波に対する想定基準を高くするのなら,それと同じように日本各地の山間部で,もっと土砂災害に関する意識を高めていかないと,また同じような被害がいくらでも発生する。
先日も書いたが,津波の被害は100年単位。
土石流の被害は毎年のようにどこかで起こっている。
頻度を考えたら早急に考えるべきは山間部の方ではないか。
記録的豪雨という言葉にも注意が必要だ。
よくTVで年配の方にインタビューしている。
「私の人生でこんなのはじめてだ」
この言葉をゲットしてTV局は満足して放送しているのだろうが,それで何が言いたいのだ?
今まで起こらなかったのだから運が悪かった。仕方ないと言いたいのだろうか。
数十年の経験で起こらなかったのだから,異常気象だとか言いたい人もいる。
100年に1度の豪雨はその場所に住んでいる人は1回経験するかどうか。
100年前にそこに人は住んでいなかったとすると,同じように土石流が来ていても被害はゼロ。
しかし,今はそこに住んでいるので100年に1度の豪雨で必ず被災する。
今回は紀伊半島に豪雨が集中したが,観測地域を全国10ほどに区分するとしよう。
すると,100年に1度の豪雨は10年に1度そのどこかの地域で観測される確率になってくる。
もっと地域を細分していくと,毎年のように地域で新記録の豪雨となったりしかねない。
懸念されるのは,山間部にどんどん新しい家を建てているので,危険地域に住もうとする人が増えていること。
土石流に流される可能性のある場所に,土地が安いからとマイホームを建ててはいけない。
今,東北をはじめ全国で津波を避けるために沿岸部には住まないようにしようとしている。
同じように山間部の土石流の危険地帯には住めないように規制するなどした方が賢明だと思う。
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