[2011年9月12日]
数学の問題を解くには速く正確にしないといけない。
本来は時間制限なしで答えを出せたらそれはそれでいいのだろうが,残念ながら入学試験には制限時間がある。
かと言って,速くすれば間違いが多く発生する。
これは練習して速く正確に解くようにしないといけないのだ。
数学が苦手な生徒はその練習がヘタなのである。
まず,速く解かないといけないのに制限時間がないかのようにゆっくり解いていたりする。
慣れてくれば少しは速くなるが,意識して速く解こうとすればもっと速くなる。
一方で,速く解かないといけないので,しっかり確認すべき手順をすっ飛ばしてやってしまう場合もある。
すると当然誤答だらけ。
肝心なところはしっかりと丁寧に確認しないといけないのだ。
ココができる人とできない人の境目。
たとえば,マイナスの符号が( )や分数にかかっているのに,平気でそのままにしたり,通分するのを暗算で一度にやってしまったりして間違っている人が多い。
こういうのは,キッチリと1ステップ書いて眼で見て確認して次に進むべきなのだ。
そこを暗算していてはミスも多かろうというものだ。
数学がよくできる人は,そういう1ステップを余分に紙に書いている。
できない人は書くのがめんどうなのか頭の中でやってしまって間違う。
およそほとんどこのパターンなのである。
なので,今までに何人もそういうことを言って指導してきたが,これがなかなか改まらない。
頭の中でやるのが癖になっているからどうやっても省略してしまう。
さて,そこで強制的にすべてのステップを踏むように指導すると,今度はその1つ1つに膨大な時間がかかってしまう。
要するに,省略してもいいステップの方が実は多いのである。
だから,肝心なところを見抜いて省略しないように指導しないといけない。
ところがその肝心なところがわかるというのは数学が得意な生徒にはすぐに理解できるのに,できない人は一向にわからない。
というわけで,数学ができない人ができる人のようになるのは至難の業なのである。
省略してもいい例は,1/√3をいきなり有理化するような場合。
1/√3=√3/3 というのはあたりまえなので,一瞬で変換できる。
数学の苦手な人はこれが身についていないので時間がかかる。
他に,√243みたいな場合,数学の苦手な人はどうにも手がつけられない。
少しできる人なら2+4+3=9だからこの数字は9の倍数だとわかる。
素因数に分解していくのにとっかかりがある。
計算だけでなく,図形の問題でもそうだ。
知っていれば当たり前の定理をその場で考えていては時間が足りない。
補助線の引き方にもセオリーがある。
慣れていればできるのだが,答えを見て線を引くだけで,自分で線を引けるようになろうと思って答え合わせしないとできるようにならない。
手当たり次第に補助線を引いていけばそのうち解けるのだろうが,それでは時間が足りないのである。
試験は時間との戦いなのである。
省略できる時間をしっかり確保しつつ,省略してはミスが多くなるというポイントを自分なりに体得していくのが受験勉強なのである。
それを入試までにできるようにしないといけない。
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