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尾崎塾
富田教室

[2011年9月18日]

世界ジオパークが室戸を認定

世界遺産がマスコミには人気だが,こっちも話題にして欲しいものだ。

世界ジオパークに四国の室戸が認定された。

ちょうど東日本大震災があったところだが,それに匹敵する大地震=南海地震によって繰り返し地殻変動した地形が見られることで有名なところだ。

三陸のリアス式海岸と同様,地形というのは一朝一夕にできるものではなく,何百年〜何千年に1回という変動の繰り返しによる累積変位が地形となるのである。

室戸岬の地殻変動データはセンター試験の問題にもなったほどわかりやすい。
室戸付近の水準点の標高は毎年約7mm下がっている。
フィリピン海プレートが四国沖で沈み込んでいて引っ張っているからだ。
そのタガが外れる約150年に1回の大きな地震で一気に1m〜2mほど隆起する。
ちょうど標高200mあたりに10万年前にできたとみられる海成段丘があるので,沈降と隆起の繰り返しを平均すると1000年で2mくらいの隆起になる計算だ。

実は7〜8年前?いや10年くらい前?に室戸に行っていろいろ見てきたことがあるのだが,たしかに海成段丘の他にも見どころ満載だった。
教科書によく載っているように深成岩に接触している泥岩がホルンフェルス化していたり,その深成岩の組成が変化していく様子=結晶分化作用が見て取れたりする。

img1
これがその時撮った写真。
赤っぽく見えるのが斑れい岩で白い斜長質脈が入っている。


我々地学マニアには楽しくって仕方ない場所なのだ。

今回の認定を機に,もっと一般の人が地学に興味を持つように整備が進んでいくとよいと思う。

ただ,交通の便がなあ・・・


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