[2011年9月19日]
厚生年金と共済年金と国民年金を全部混ぜる?
メリットはあるのかとかの議論は置いておくとして,原理的に民主主義の欠陥を内包している気がする。
たとえば私学共済は中でも非常に優良なのである。
いろいろと優れているのである。
だから,他の年金の人から見るとうらやましい。
私学共済の人からすると,「そんなにうらやましかったらこっちに入ればいいじゃん。」ということ。
普通の人は私学共済に入れないのだ。
私立の学校の教職員しか入れないのだから。
多くが教員だから,大学を出た高学歴の人の集団なのだ。
中高生のころ真面目に勉強して,大学でも真面目にやって教員になった人が多いのだ。
だから当然掛け金もちゃんと払っているし組織も資金も安定しているのはあたりまえ。
国民年金とか厚生年金は大学を出ていない人もいっぱいいる。
私学共済のメンバーと比べて,平均すると中高生の頃に真面目にやっていなかった人が多いと思われる。
そういう人の集団が私学共済と比べて見劣りする年金であってもそれは仕方ないだろう。
これを一元化するとなると中高生のころに真面目に勉強して教員となってしっかり社会貢献している人からすると非常に不公平な感じがする。
たしかに国民年金の人も厚生年金の人も,私学の人より勤勉で優れた人も多いだろう。しかし,平均値としてはやはり私学に勤めている人のレベルは高いのだ。
これを一元化するのは簡単だ。
多数決をとればいいのだ。
非常によい年金をもらえる私学の人は40万人くらいか。
厚生年金は3千万人とか。
いくら私学の人が反対しても多数決では負ける。
一元化に向かうのは自明の理。
不公平感を持つのはごく少数派の私学の人だけだから,必ずこの法案は通っていく。
多数決がいつも正義に照らして正しい結果になるとは限らない。
こういう民主主義というのは危険だと思う。
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