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尾崎塾
富田教室

[2011年11月4日]

本当に集中するということ

全く不要な心配をウチの塾にして下さる方がいる。

ご存知のように塾は大きなバス通りに面していて,しかもガラス張り。

中で演習している様子が外から丸見えだ。

img1
それで,「外から見られていて気が散ったりしませんか」と質問されることがある。
あと,通りのバスの音や踏切の音が気にならないかとか・・・

いつも苦笑する。

外から見られているくらいの方が集中力が高まるという側面もあるのだ。

説明しよう。

多くの方のイメージはこうだ。

集中する=1点に集中する=他のものは排除

これが全くの間違いなのである。

実は集中するというのは外へ開いている状態なのだ。
しかも集中すればするほど普段よりも外的環境に敏感になるのである。
だとすると,外の音とか見られていたりがよけいに気になる?
NO,NO,とんでもない。
本当に集中した状態では,自分に必要なものは取り入れるが不必要なものは無視できるのだ。

昼寝させた赤ちゃんの横にいるお母さんも居眠りしている様子を思い浮かべて欲しい。近くで工事をしていてややうるさい状況。家の横をバイクが通ったりしてやかましい時もある。しかし,お母さんは居眠りしている。
ところが,赤ちゃんが小さな声で「うぎゃっ」と言ったとたんにお母さんの目はパッチリ開く。
人間の音に対する感覚というのはそういうものだ。
必要なものだけに反応できる。

よくブースで囲ってあって「集中できます」という個別の塾があるが,あれはいただけない。勉強道具しか目に入らない状況をつくって,それに無理やり注目するのは集中しているのではない。それしか見えていないのだ。そんな環境でばかり勉強していると,囲いが取れた途端に周囲が気になって気になって落ち着かなくなる。囲いがないのが普通の状況なのに・・・
まるで無菌状態で免疫を無くしたような状態をつくっているみたいなものだろう。

試験中は何があるかわからない。
状況がつかめないといけない場合もいろいろ想定される。
必ず必要なのは試験の開始合図,終了合図。
これがわからないほど集中?してはいけない。
試験問題に不備があって,多くの生徒が戸惑っている空気。
問題訂正に教員が入ってきて指示をする場合。
試験監督が居眠りをしている状況。
エアコンの効き具合。
隣に座っている奴の答案の出来具合(おっと,これは見てはいけない!)
などなど,周囲の状況はいろいろ変化するし,そういう空気を把握しながら目の前の問題に取り組むのが受験というものなのだ。
試験中は監督が机間巡視してまわる。
それで一々気が散っていては話にならない。

そういうわけで,ウチの塾の様子は試験中の雰囲気にかなり近い状況を意図的に作ってある。多くの塾のように外から見えない密室状態にはしない。前方に黒板があって,試験会場と似た机の配置にしてある。問題を解いている時に先生が机間巡視している。隣には友達ではなく知らない人を座らせる。
そういうアウェー感の中で演習できるようにしてある。
それがホームなわけだから,実際の試験がホームみたいな感じになる。

自習スペースの方は一部ブース的に仕切ってはいるが,完全な板は使用せず,向こう側が少し覗けるようなものを使うなど,顔が少しは見える程度なっている。ビミョーに良い感じだと思う。

つづく


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ゾーンに入るというやつ。

石川遼君がすごい記録を出したときとか江夏の21球とか。