[2011年11月9日]
それまでは島弧周辺でどういうわけか堆積する場所がどんどん陥没していって,どこかで隆起に転じて造山運動になると考えられていた。
根拠も何もなく,ただ浅海性の堆積岩が1000mの厚さで堆積するのだから短絡的にそう考えるしかなかった。
そして皆がそう信じていた。
海底の磁気の縞々模様が発見され,海洋底が拡大している証拠がそろった。
地球表層のプレートの運動でさまざまなことが合理的に説明できることがわかった。
プレートテクトニクスだ。
この理論は非常に合理的にさまざまな地学現象を説明できるので,今までの古い理論にすぐにとって代わると思われた。
ところが,意外にそれを素直に受け入れられない人が多かった。
1970年代後半から1980年代初めまで(ひょっとしたらその後も)地向斜理論にしがみついている人がいた。
当時高校生だった私は,その狭間で葛藤している地学業界を垣間見ることができた。
つまり,教科書や参考書には確かに地向斜理論が載っていた。
しかし,映画日本沈没もそうだったしTVの映像や新しい参考書にはプレートテクトニクス理論が取り上げられていた。
どう考えてもプレートテクトニクス優位だと高校生の私も思った。
さすがに現在も地向斜を信じる人はほとんどいないとは思う。
今,TPPを受け入れられない人がたくさんいる。
昨日は国技館で6千人も反対集会をしていた。
地向斜理論をどうしても受け入れられなかった人たちと重なって見えて仕方ない。
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