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尾崎塾
富田教室

[2011年11月10日]

偏差値の意味をわかっていてこそ指導できる

中3生の実力テストが返ってきて,各自いろいろ反省するのは良いとは思う。

ところが,数値の意味を知らないので見当違いの方向に考えてしまう生徒や大人(学校の先生も含む)が多いので注意が必要だ。

ある生徒が昨日「国語が悪かったので見て下さい」と相談に来た。
生徒の答案を見るとそんなに悪くない。
確かに微妙に正答と紛らわしい選択肢にひっかかったりしているが,逆にいうとほぼ読めている証拠でもある。
漢字や語彙は書けているし。
古文はこれからやって間に合うし。

別に悪くないやん。と答えると,
「でも国語が一番悪かったんです。」
と答える。
悪い=点数が低い
と思っているようだ。

国語60点,数学70点,理科75点,社会80点,英語70点という生徒がいたとする。
この場合,たいていの生徒は「国語ができないので何とかなりませんか?」と相談に来る。

特に中学の実力テストは平均点というのが重要なのだ。
いわゆる偏差値というのは全て平均点が基準なのである。
国語の得点が60点であっても,平均点が40点だったなら全然OKなのだ。
事実,昨日来た生徒の場合も平均点は40点台で,本人は60点台だった。

偏差値をよくわかっていない人(これは学校の先生にもその辺の塾の先生にも非常に多いので要注意!)は的確に分析できないのだ。

得点分布で統計的なバラつきを示す数値=標準偏差というのがある。国語の場合はバラつきが小さく10で,数学は大きいから20などとなる。

偏差値は平均点で50になる。
平均点+標準偏差で60になる。
平均点+標準偏差の2倍で70になる。
そういうもの。

先の例で確認
標準偏差10点の国語の試験で60点で,標準偏差20点の数学が70点の人の偏差値は?

国語の平均点が40点なら60−40=+20点
これは国語の標準偏差の2倍なのでなんと偏差値70だ。

数学の平均点が60点なら70−60=+10点
これは数学の標準偏差の半分なので偏差値は55になる。

生徒は数学より国語ができなかったと思っている。
実際は国語の偏差値70・・・茨木高校,北野高校レベル
数学の偏差値55・・・三島高校,槻の木がやばいレベル

てなことが普通に起こっているのだ。

このように,素人が判断すると本当に手当すべき科目が何なのかが全く的外れになってしまう危険性がある。

これはくり返しになるが,生徒保護者の方はもちろん,多くの学校の先生も塾の先生もほとんどわかっておられない。
(いやオレはちゃんとわかっている!と反論する人は反論になっていません。あなたは珍しくよくわかってらっしゃるが,ほとんどの教員はわかっていないという事実の反証にはならないですね。反論した時点で数学が弱いことの証明になっている?)

一方,私はこのような数量的な扱いが得意なので,長年の経験も加味して生徒に与える教材選定やペース配分を考えてあげられる。
実はここに授業料をいただいているというのが本当のところなのである。




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