[2011年11月14日]
OM-4でしょ。
ん?
反応が悪い。
ほとんどの方は興味ない話。
昔,機械式のフィルムカメラで写真を撮っていた時代。
(そんなに大昔じゃないようにも思うが・・・)
天体写真を趣味としていた者にとっては,長時間の露光をするためには機械式カメラが必須であった。
バルブ撮影といって,カメラを星に向けて何十分も露光するのである。電池のパワーでシャッターを制御しているカメラなら30秒でアウトとかいうモノもあった。
そんな時代。
カメラといえばニコン。
他にもミノルタ,ペンタックスなどなどいろいろあった。
その中でオリンパスのOMシリーズはかなり天体撮影に向いていたので天文雑誌のカメラの欄にはいつも載っていた。
天体写真で最も難しいのは露出時間。
特に惑星や彗星の写真などはほどんどヤマ勘の世界。
露出を30分の1秒から3秒,10秒など,とにかくテキトーに変えて撮りまくる。
中にはたまたま適正露出のモノが混じっているという具合。
今のようにデジタルで撮ったらすぐに確認できるのは夢のまた夢であった。
現像してみないとわからない。
まあ,沢山撮っていればだいたいの見当がつくようになるが,それでも何十枚も撮って,数枚ちゃんと写っていたら大満足という世界であった。
あるいは,多少の露出不足でも,自分で現像〜焼き付けをしていたので,その加減によってもさら微調整できた。
覆い焼きとか焼き込みを駆使して1つの写真を完成させていたものだ。
そこでOM-4。
こいつにはスゴイ機能が備わっていた。
「スポット測光」
画面の中のある「点」だけを測って適正露出を教えてくれる。
なんと親切な。
実は他社にも自動露出やスポット露出機能がついていたが,全然性能が違うのだ。
他社のはスポットと言っても測る場所が「点」ではなく「部分」なのだ。
なので,天体写真で特に小さな惑星像の露出を測るのには「部分」だとはみ出してしまう。
オリンパスのOM-4のスポット測光は本当に狭い「点」だけを測るので,惑星の写真の露出がほぼ適正に測れてしまうのだ。
その機能がすばらしすぎて「カメラ付き露出計」といわれたほどだ。
このカメラ,ずっと欲しいと思ってた。
高かったので買えなかったなあ・・・
今はデジタルでまさに撮影しようとする画面がその場で見られる。
もうOM-4の出番はなさそうだ。
フィルムカメラも残念ながら・・・
被写体によってフィルムを変えたり自分で現像液を調合したり,あるいは焼き付ける印画紙を変えたり,何枚もの画像をコンポジットしたりしていたのが懐かしい。
その作業自体が結構楽しかったのだが,もうそういう楽しみ方ができないのは淋しい気がする。
オリンパスのニュースを聞くたびにOM-4を思いだす今日このごろ。
再びいい製品を世に出せるように頑張って欲しいものだ。
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