[2011年11月16日]
中3の理科,2分野の最後は天文。
これが苦手という生徒が多い。
昔から星好きの私からすると「ありえない」誤答を平気でする。
たとえば,「三日月の見えるのはいつ?」
こんなのは夕方の西から南西の空にあるに決まっている。
それ以外見たことがない。
ところが今どきの生徒達は三日月を見たことがない。
これはウソで,見たことはきっとあるはずだが,何も頭に残っていないのである。
月は前日よりも約50分遅れて南中する。
それも毎日月を見ていたら実感としてわかる。
満ち欠けもわかる。
実際には中学生が今朝に有明の月を見たとしても,次に見るのが来月の満月で,その次が半月の時というように,毎日見るのではなく数週間に1度見る程度なのだ。
時刻も形もばらばらに頭に入っては消えていく。
そういう興味のないことを説明されても全く頭に入らない。
受験で必要だからと自分に言い聞かせても,本人自身に興味がないのでどうしても覚えられない。
理科に限らず,英語も社会もすべて興味がないから頭に入っていかないのである。
一種の「ばかの壁」を多くの中学生は持っている。
結局のところ,勉強ができるかどうかは何にでも興味を持てるかどうかにかかっている。
興味を持たせるような授業をすれば良いというが,それが難しい。
「ばかの壁」は論理的にはくずせない。
キリスト教の信者に進化論を教える困難さを想像したらわかる。
興味を引き出す授業はできても興味のないところに興味を発生させるのは,それこそ神業といえよう。
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