[2011年12月16日]
ウチの塾の中学生が私学の受験校を決めると,学校の担任にこう言われたそうだ。
「私学は問題にクセがあるから,過去問をやっときなさい。」
どういうつもりで言ったのかわからないが,生徒のためになるとは思えない。
何かそのアドバイスの根拠はあるのだろうか。
その先生はちゃんと過去問を解いて,「クセ」を見つけ出して,だから生徒にアドバイスしたのだろうか。
今から過去問に取り組むのがベストなタイミングだと考えてアドバイスしたのだろうか。
全くわからないので例によってこちらも無責任な感覚的な数値を出す。
(どこかの元知事,次期市長と似ているが,それよりは実際に近い数値になっているとは思う。)
100人に1人くらいはちゃんと過去問研究をしてアドバイスしていると思う。
そういう先生でも,自分の教科は解いているだろうが,5科目全部の傾向やクセを研究したと言う人は皆無ではないだろうか。
さらに,その生徒がどういったスケジュールでこの冬休みを過ごし,1月以降にどのように受験勉強をしていくかの大きな枠の中で,どの時期が最適かをわかってアドバイスしているはずがない。
つまり,冒頭の先生の発言は,その先生にとっての自己満足である以外何者でもないという確率が99%よりもはるかに高いと言える。
アドバイスをしたという「実績」作り?
一方で,先生のアドバイスを素直に聞いて過去問をしなければならないと考え,早速やりはじめる生徒は意外に多い。
たいていの生徒は中学校の先生の何気ない(無責任な)一言を絶対的な「しなければならない」こととして受け取ってしまう。
公立中学校の先生方は受験指導に関してはズブの素人だと言うと言い過ぎか?
せめて中3担当の先生方には生徒がよく受験する高校の過去問(自分の教える教科だけでいいよ)には目を通しておくくらいはしてもらいたいものだ。
で,ここから本題。(ここから?)
私立高校の問題にクセはあるのか?
正直,私にはよくわかりません。
(もしかしてズブの素人?)
一応仕事柄,一通りの学校の過去問は見ている。
当然ながら5教科とも!(^^)!
表面的にはいろんな出題のパターンや答え方があったりする。
でもどれも問題集に載っているようなパターンだ。
毎年同じタイプの問題を出す高校もある。
それは「クセ」なのか?
特に早期に対策をしておかなければならないモノなのか?
これも想像ですが,
おそらく中学校ではあまり扱わないようなタイプの出題もあるだろう。
中学校の先生が教えたタイプの問題だけを練習しているだけでは戸惑うような問題もあるのだろう。
だから,中学の先生は親切なアドバイスをしたくなるのだろう。
「過去問をやって,自分のやったことのないようなタイプの問題に慣れておくとよいよ。」
きっとそういうことだ。
で,それは中学校の先生方の大きな勘違いだったりする。
たしかに中学校では練習していないかもしれない。
でもほとんどの生徒はちゃんと塾でやっている。
塾の教材で何度も見たタイプの問題が並んでいるのがほとんどの私学の入試問題なのだ。
だから,生徒はよほど変わった形式でない限り普通に実力を発揮して合格点を取れるはず。
入試の直前はたしかに形式に慣れるためと,時間配分の練習と,過去の合格最低点をクリアできることを確認するために過去問をやったらいいと思う。
こういうことは大学入試にも言えるのだが,長くなりすぎるので今日はこれくらいにしときましょう。
とにかく親切心からのアドバイスがいつも的確とは限らないという話でした。
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