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尾崎塾
富田教室

[2012年1月16日]

センター地学の第2問も解説してみた

第2問
問1:マントルの一部が溶けて生じるマグマは玄武岩質マグマだから,それが深成岩体となれば斑れい岩になる。マントル→かんらん岩と早合点しなければ大丈夫だろう。
問2:斜長石はもちろん無色鉱物。塩基性岩ではCaに富み,酸性岩ではNaに富むことを知っていれば固溶体の性質を持つことも明らか。
問3:おなじみの(そうでもない?)アルミノケイ酸塩の相平衡図だ。本問は図2の相図と図1の地質図の両方を照らし合わせる必要があり,難度が高い。まず地質図。Xの方が深成岩体よりも遠いところで生成していることから,Xの方が低温の条件であったと判断する。A帯とB帯の境界では紅柱石と珪線石が共存するのだから,相図ではそれら2相の境界線上のどこかに位置する。Xが低温であればYはそれよりも高温なので右側に位置するはず。境界線の傾きからYの方が低圧の条件になる。(図参照)
img1
問4:A帯やB帯の原岩(変成する前の岩石)がわからないので難しい。砂岩とか書いてあれば,熱変成によってホルンフェルスとすぐわかる。しかし,本問には書いてないので?は正しいと思われるが正解である保証がない。?は明らかに×。接触変成作用の話をしているのであるから広域変成岩ではない。?もおかしな話で,示準化石は堆積岩の堆積した年代を知ることはできても,その後に被った変成作用の年代には使えない。では?はどうか。熱変成作用で黒雲母が変成鉱物として生成することはよくある。それが熱の影響で熱の伝導方向と関係があっても不思議ではない。しかし,実際にその方向に鉱物が伸びるには相応の力が必要で,高圧の変成岩における片理構造がそれにあたる。黒雲母の層状の産状は片麻岩などにも見られ,本問のような低圧の状態ではなかなか生じないだろう。受験生には非常に難しい判断となるが,?のホルンフェルス中に紅柱石は普通に産することからも?が正答となる。釈然としない選び方だが仕方ない。本来なら原岩が砂岩とか泥岩と書いてあげればよいはずだ。それだとカンタンすぎるからあえてわかりにくくしたとしか思えない。
問5:石基は細かい結晶と非晶質のガラスから成る。火山岩の組織は斑状組織というのは中学生の内容。センター試験で中学生の内容を出題するのはいかがなものか。前問であえて難しくしているくせに,と皮肉を言いたくなる。
問6:玄武岩の化学組成と構成鉱物は記憶して試験にのぞんでいると思うので,簡単な問題。玄武岩と安山岩のSiO2量の境界は52%で,安山岩と流紋岩の境界は66%である。


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