[2012年1月20日]
第5問
問1:探査機の軌道長半径aはABの半分なのでa=(0.7+1.0)÷2=0.85天文単位。
探査機の公転周期をTとするとケプラーの法則より
T^2=a^3 ∴T=a√a=0.85×0.92=0.782年
所要時間は1周の半分でいいので,Tの半分0.391年が答である。よって正解は?。
一見すると,たいへんな計算問題のように見えるが,実はもっと簡単にできる。つまり,地球のすぐ内側を公転する探査機の公転周期は1年よりも少し短い程度のはず。しかも金星の公転周期よりも長いはず。金星の公転周期をおよその値で240日と覚えていたら,これは約0.66年なので,0.66<T<1となる。選択肢を見ればT÷2は0.39しか該当しないことがわかる。
問2:金星は厚い二酸化炭素の大気に覆われている。地球温暖化でおなじみ?の二酸化炭素だから相当な温室効果があり,気温が460℃にもなる。正解は?。
問3:小惑星帯は火星と木星の軌道の間にある。よって誤っているのはズバリ?。この記憶があいまいだと消去法になるが,太陽系外縁天体が1000個を越すかどうかを覚えている受験生は少ないだろう。
問4:太陽のスペクトル中に見られる吸収線はフラウンホーファー線という。宇宙膨張の話で赤方偏移というのがあって,光のドップラー効果を紹介するときにも似たような図を見るのでドップラーにひっかかった受験生もいると思われる。また,HR図の横軸がOBAFGKMというスペクトル型であることから,表面温度とスペクトルには相関関係があると判断する。正解は?。
問5:絶対等級が小さい=明るい。放射エネルギーの波長が長い=表面温度が低い。この恒星は太陽よりも明るくて表面温度が低いので,HR図上では太陽(主系列星の真ん中あたり)の右斜め上に位置する。そこは赤色巨星の領域である。正解は?。
問6:ズバリ太陽大気の成分は水素とヘリウムで,少量の重元素が含まれている(これがフラウンホーファー線の原因)から?が正しい。これに自信がないと消去法。?主系列星の段階ではまだHeの核融合反応は起こらない。?恒星内部や超新星爆発による元素合成は核融合反応。?星間物質には固体微粒子も存在するが,これも普通の受験生は自信ないだろう。
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