[2012年2月6日]
ミスは叱らない。だが手抜きは叱る
野球ではよく言われるが,3割バッターでも10回に6か7回は失敗している。
ピッチャーにしても,本当に思った通りに投げられているのは何球かに1回だろう。
しかし,少しレベルの高いことを言うと,同じミスでも致命傷なのかどうかが大切。
打ちそこなってピッチャーゴロになるとアウトだが,ファールなら次の1球がねらえる。
スリーボールから投げそこなってボールになれば四球だが,ド真ん中に投げたらサヨナラホームランということもある。
野球はミスがつきものだが,それで試合に負けてしまっては困る。
ミスをしてもその影響を最小限にして試合に勝てばよいのだ。
受験生も同じで,ミスをたくさんしていては点数が取れないから,ミスを最小限にして致命傷にならない工夫は必要だ。
ミスをしても合格できるような底力もつけておきたい。
リカバーする能力ともいえる。
具体的に大切なのはミスを発見する能力だ。
検算するとか他の方法で確認するとか。
そうすればミスを見つけて修正することが可能になる。
ミスはしないように気を付けていてもするものだ。
しかし,気を付けていてもするのだから気を付けても意味がないなどとは考えないだろう。
気を付けることでミスが減らせるわけだから。
その気を付けることを怠ったり,簡単な確認・検算を怠ったりしているとまず合格には至らない。
受験生はそういう「手抜き」をしてはいけないのだ。
ちょうど今,受験生には答案を書かせて,それについていろいろとアドバイスする授業をしている。
「ここでミスしているけど,それをしないためにはどうすればいい?」
というように聞いて,次にそのミスをする可能性を減らすようにもっていく。
「この数値,最初の式に代入=検算したらおかしいってすぐわかるよね?」
と確認を怠っている点を指摘してあげる。
あるいは,論理の示し方を教えてあげる。
問1で計算ミスしていて,問2でその値を使う場合は問2の答えも合わない。
さらに問3,問4も・・・
こういうのを雪崩失点というが,答案の書き方によっては致命傷にならないのだ。
つまり,問2以降にしっかりと代入値の元を明示して,
「問1の値をこの式に代入して・・・」などとしっかり書いておくと入試では考え方が正しいのだから得点をもらえるのだ。
だから,前問に自信がなくともしっかりと論理を書くようにしておけば問1は得点がなくとも問2〜問4は答えが間違っていても得点はほぼ満点もらえたりする。
このことはあまり信じてもらえないのだが本当である。
だから記述式の試験では実力のある生徒はきっちり答案を書く指導をすれば必ず合格する。
ところが実際の受験生はその点が理解できていない。
だから指導してあげるのだ。
本人は「手抜き」をしているつもりはなく,ただ一生懸命答えを出そうとしている。
しかし,それではダメなのだ。
答が違っていても,相当に点数をもらえるようなリカバリー能力=「手を抜かない能力」をつけておけば合格できたのに,雑な答案なので0点になって不合格になることを避けないといけない。
個別に答案を見てもらって「手抜き」を見つけてもらう演習はそういう意味でとても大切なのだ。
落合監督は選手がベースのカバーに走らなかったり=手抜きをすると二軍に落とすそうだ。
そういえば昔オリックスの田口壮選手が1回表に緩慢な打球処理をした。
1回の裏にいきなり代打を送られてた。
さすが仰木監督!
ウチの塾で検算を怠った生徒は即刻退塾!
というくらい厳しい塾にしたいものだ・・・・塾生がたぶん3日でいなくなる(^^ゞ
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今,ちょうど受験生には入試問題を実際に解かせてみて,その答案でどれくらい得点できるか指導している。