[2012年2月23日]
手に職を付けるという考え方がある。
不景気で就職難な今のご時世だから少しでも就職に有利なようにと考えてのことか。
で,受験生やその親御さんが思いついたものがそのまま志望校へとつながる。
まず思いつくのは医者。
これは就職難とか関係なく,もっと確たる信念を持って志望して欲しい。
単に偏差値が一番高い所を志望したらそれが医学部だったという者もいるようだが。
で,ほとんどの人はそのベラボーに高い偏差値におののいて,別の志望へと変更する。
最初に思いついたのが医師だった場合は連想ゲームと化する。
医者に近い仕事といえば,看護師や薬剤師。
それから理学療法士。
これらも医療に携わるということを深く考えて志願するようでないと難しいのではないか。
特に看護師は仕事が半端なくたいへんだ。
単純に人の役に立って,非常に感謝される職業だからというイメージだけで志望する人がほとんどだと思う。
そんな甘い仕事ではないのだと思う。
実は私の母親は看護婦だったのでよくわかるのだ。
医師は無理だけど看護師ならなれそうだし,患者さんに感謝されるし,仕事にはありつけそうだし,女性の仕事にしては給料もいいらしいし・・・という考えだろう。
不満に思うのは思考過程が非常に表面的な点。
人に感謝される仕事って,直接その人にありがとうと言ってもらえる場合だけではないのだ。
たとえば,医療の現場でも様々な機器を開発したり,薬を開発したりする仕事があってはじめて医者や看護師や薬剤師が感謝されるわけで,間接的に医療に携わっている人は皆感謝されているわけである。
むしろ,直接表に出ないが実はしっかりと役に立っているという縁の下の力持ち的な仕事の方が重要で,社会の基盤をつくっているのだと思う。
もちろん表面での仕事も大切だが,もっと世の中の役に立てる場所を広く探してみてもよいのではないか。
看護師志望の人の多くは,実はもっと他の仕事に向いているという可能性はないのだろうか。
よくわからないが,看護師志望者がこんなに多いと何か釈然としない気持ちになる。
ちなみに理学療法士もそうだ。
以前はすごい人気で,偏差値がうなぎ上り。
これも過去にけがをしてリハビリをしている時に世話になった理学療法士を見て,自分もそんな仕事に就きたいと(あえて書くと短絡的に)考えて志望者が増えた。
その結果どういうことが起こったかというと,多くの2流〜3流大学で理学療法学科の新設ラッシュとなったのだ。
それこそ短絡的に,理学療法学科を作れば人気があるのですごく偏差値が高い生徒が多く入ってくると大学側は考えたのだ。
その思慮の浅さが2流,3流たる所以なのだろうが,結局は世間でそんなに理学療法士は必要ないし,多くの大学が同時多発的に新設したので,志願者<定員となってしまった。
誰でも入れる学科となってしまったのだ。
さて,現在は看護師になりたい生徒が非常に多くなってきた。
専門学校であっても試験にしっかりと勉強して合格しないと看護学科に入れない。
今後,看護学科の新設や定員増となっていくのだろうか。
なんとなく不安・・・
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