[2012年2月25日]
大学生の24%が「平均」の意味を正しく理解していないなど、基礎的な数学力、論理力に大きな課題があることが、日本数学会の「大学生数学基本調査」で明らかになった。(読売)
まあ,そんなものだろう。
だいたい,これを報じている記者が平均をはじめとする統計の意味がわかっているか疑わしい。
記者になる人って早くに文系と心に決めて数学は高2くらいからやってない気がする。
首都で70%の確率で大地震などと報じるのはいいが,その意味を伝えるには統計確率の意味がわかっていなければならない。
学者が発表したことをそのまま書くのではメディアの意味がない。
さて,平均すらわからないのに偏差値の意味がわかる人間がはたしてこの世の何%いるのだろうか。
というのは,学校の教員でさえ偏差値がわかっている人は非常に少ないのだ。(ひょっとして平均の意味もあやしい?)
ずっと前にも書いたが,うそだと思ったら担任の先生に偏差値の計算の仕方を聞いてみるとよい。
答えられないから。
大阪府の公立高校受験に使う10段階の評定は偏差値そのものなのに,そのことも知らない先生も多い。
受験生は平均の意味すらわからないが,偏差値の意味すらわからない教師に進路指導されて,よくわからずに受験する。
おかしなことになっている。
これは塾も同じこと。
塾長・教室長クラスでもチューターでもほとんど説明できないだろう。
昔は高校の数学で習ったし,そんなに頭がちぎれるほど難しい話ではないのだが,受験業界で飯を食っているわりに皆勉強が嫌いなのだ。
だから,進路の相談で受験校の合格可能性を聞いたところで正確な判断のできる先生はほとんどいないと考えてよい。
なのに,すべてわかっているかのような振る舞いの上手な先生方が多い。
恐ろしい世の中ではある。
だいたい生徒も保護者も先生の言うことは正しいと信じてしまうものだ。
ちょうど昨日の毎日新聞1面トップに○大連携浪○中学の話が載っていた。
全員の大学進学を確約するかのような募集に対して,大学側はそんな話知らないというやつ。
まさか説明会で大ぼら吹くとは思わないから,相当数の保護者と生徒はそれを鵜呑みにして入学したと思われる。
まあ,一方で学力もないのに簡単に大学に入れるという甘い話を信じるのもどうかとも思う。
絶対に儲かる話に投資してお金が返って来ない人と大差ない。
というわけで何を信じていいかわからない世の中であるが,信じるべきはしっかりと勉強して培った学力だということだ。
自分の頭の中にある学力は誰にも盗まれないしどんどん成長もさせられる。
投資するなら自分の脳にするのが最も安全で役に立つのである。
にほんブログ村
にほんブログ村