[2012年2月28日]
これは今朝の授業中に撮った朝焼け。
6時すぎで明るくなってきた。
特に冬場の早朝授業は暗いうちに始まるので本気で頑張っている感があっていいのだが,始業時に少し明るくなってくると春が近いことを感じることができる。
写真業界に長く身を置いていると(そうだったの?)不思議に思うことがいろいろと出てくる。
この朝焼けの色もその一つ。
どうも夕焼けと色が違う。
朝焼けの方が夕焼けよりも紫がかっているようなのだ。
そこで,考えてみた。
朝は地球の自転の向きを考えると,我々観測者は太陽の方向に向かって進んでいる。逆に夕方は太陽から遠ざかる方向に動いている。
だから光のドップラー効果の影響ではないかと。
ドップラー効果といえば救急車とすれ違うときに高い音から低い音に急変するあれだ。
ドップラー効果は宇宙膨張の証拠で知られるハッブルの法則でも利用されている。
遠方の銀河は我々の銀河系から高速で遠ざかっているから光の赤方偏移が観測される。
夕焼けのとき,太陽は地球から遠ざかっているから赤方偏移が起こって赤く見える。
逆に朝焼けは近づくので,赤の反対側・・・赤橙黄緑青藍紫の紫色になるというのが「朝焼けドップラー効果説」。
さて,地球の自転速度は我々の観測している緯度に関係する。
簡単のために北緯30度に住んでいるとすると,自転軸からの距離は地球の半径R=6400kmのcos30°倍で,1周24時間であるから2π×6400×√3÷2÷24=時速1450km
秒速にすると5200m/sだ。
光のドップラー効果は音波の式をそのまま使えないが,近似的に成立するとして,偏移した波長は・・・0.001%短くなる。
紫色の波長が4×10^−7mで赤を7×10^−7mとすると波長は75%増か。うーん0.001%だとどんなに敏感な眼の持ち主でも区別つかないくらいだ。
というわけで「朝焼けドップラー効果説」は日本天文気象写真学会から相手にされずに終わった。
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