[2012年3月2日]
予報通りの雨。
天気予報は信じる信じないとなれば占いの域になるが,ちゃんとしたサイエンスなのだ。
サイエンスであるとはどういうことか。
確率で判断するということだ。
で,降水確率。
世間には浸透しているようだが,その本当の意味が浸透しているかというと疑わしい。
先日,霊能力者の95%が云々というのを書いた。
が,降水確率が100%というのは実は95%以上であるということなのだ。
20回に1回くらいは雨が降ってもいいのだ。
100%なら例外なく降らないというイメージだと「ありえない」降雨に見舞われる。
さらに世間に知られていないものに「適中率」というのがある。
その天気予報が当たったかどうかの率。
何をもって当たったと言うのか?
それは降雨があったか無かったか。
「降る」と予報して実際が「降らなかった」場合はハズレ。
これを空振りという。
「降らない」と予報して実際は「降った」場合もハズレ。
これを見逃しという。
野球みたい。
3回ハズレたら1つアウトが増える?
実際は年間にどれくらいハズレているかというと,60回くらい。
かなりハズレている。
しかも,これは年間を通しての話。
当たりやすい月と当たらない月があるのだ。
真冬には太平洋側はほとんど乾燥して雨が降らない。
たとえば30日に1日だけ雨が降るとして,毎日何も考えずに「降らない」と予報しておけば適中率は97%にもなる。
実際,冬場の適中率は全国的に非常に高く,軒並み90%を越す。
一方,梅雨時の6〜7月の適中率は70%台に落ち込む。
梅雨前線の動きなんかわかりっこないのだ。
70%以上あると,まあまあ当たっている気がするかもしれないがそうだろうか。
降るか降らないか本当に五分五分だとしよう。
毎日何も考えずに「降る」と予報していれば,それでも適中率は50%あるのだ。
最低点が50点で満点が100点の試験?
75点を取っても喜んではいけないだろう。
このように,何も考えなくても相当の適中率があって,実際には少々の資料があるわけで,それを参考にしてさえ70%台の適中率というのは「ほとんど当たらないに等しい」と言える。
梅雨時の天気予報は下駄を使った方がいいかもしれない。
さて,近畿で最も適中率が高いのがこの3月だったりする。
低気圧も移動性で,確実に西で降っていたらそのうち東の方に移動してくるに決まっている。
だから今日の予報もぴったり当たっている。
降雨開始の時刻も大きくははずれない。
このように,季節によって天気予報の精度は大きく違う。
降水確率だけでなく適中の確率も頭に入れて賢く利用したいものだ。
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