[2012年3月7日]
写真は見たままの真実を写すから写真なのか?
最近はデジタル処理すれば真実とは程遠いものも多そうだ。
そういうのは別にして,物理的理由で真実を写せないこともある。
たとえば明るく白い光を写真に撮るとたいていは周辺が色づいて写る。
色収差というやつ。
光は色によって屈折率が異なる。
曲がり方が微妙に違うのだ。
だからレンズを通過するときの微妙な角度の差がフィルムor撮像素子に達する時には目に見えるくらいずれてくる。
特に天体写真をやっているとこれが気になる。
白い点状に写って欲しいのだが左が青で右が赤に滲んだ像になったりするのだ。
そこで,色によって屈折率が異なるのは仕方ないが,その度合いが小さいレンズの材料がないかさがすと・・・それがあるのだ。
ジャーん!!
それが蛍石(フローライト)=CaF2
等軸晶系。
どういうわけか,たまたま蛍石の結晶構造の模型があったので,それと一緒に撮ってみた。
劈開が完璧に4方向。
この鉱物はその結晶構造のせいかどうかわからないが,色の分散が異常に小さい。
だから,これをレンズに使えば色の滲みが非常に小さい優れたレンズになるのだ。
というわけで,蛍石レンズは高級天体望遠鏡に使われている。
その望遠鏡,欲しいんだけど・・・・100万円くらいする。
いつか買ってやる!
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