[2012年4月8日]
このブログ,時々しょーもないことを書いたり,真面目なことを書いたり,その時の気分で書いている。
その内容について,
「先生のブログはぎりぎりアウトですね。」
と言われたことがある。
というか,複数の人に複数回言われている。
「ぎりぎりセーフちゃうんかい?」
と突っ込むが,いつも判定は覆らない。
さて,今日はぎりぎりではなく完全にアウト覚悟で書いてみる。
昨日に懇談に来られた親御さんは特に府外から引っ越して来られたので,高校受験のシステムがよくわからないようでおられた。
それでお子さんがどのあたりの高校に行くのが妥当なラインなのかを聞きに来られたようだった。
聞くと本人は行けると思っていた高校には50点足りないと担任に言われたとのこと。
その生徒,サービストークでも何でもなく,その2ランク上の高校をめざしてやっているところだとお話しした。
どうも中学校の先生の話と高校のランクが違いすぎているので,具体的に説明してさしあげた。
確かに,現時点では本人が行こうと思っているランクぴったしくらいの偏差値になっている。しかし50点も足らないとは中学では低く見られすぎだ。
要するにその中学の進路指導は超安全志向。
昨今は公立中学の倍率がかなり跳ね上がっているのと,大阪府はいろいろと定員をいじったりして読みにくいのもあって,必要以上に安全志向にしているようだ。
その証拠にその中学から公立高校を受験して不合格になる例はほとんどない。
実際の倍率がたとえば1.2倍だったら10人受けたら1人か2人は不合格になるはず。
つまり,その塾生もそうだが,受験して本来相応の生徒がそれより下位の安全校を受験させられるのだ。
さらに私立高校の話になって,これも塾側で相応と思う高校のことを「高嶺の花」みたいに思っている,思わされているようだ。
この件もウチの塾で学校の「絶対無理」を押し切って受験していただいて,今まで全員合格している話をさせてもらった。
学力がどれくらいあるかは塾で見ていたらわかる。
その高校の合格最低ラインもわかる。
だから,受験して合格するかどうかはわかるので受験させているだけだが,そんな生徒でもきまって中学校では無理と言われているのだ。
特に大阪府の私立は「談合」めいた受験システムを採用している。
つまり,あらかじめ公立中学校の実力テストを基準にして合否の「内定」を出しているのだ。
「内定」をもらった生徒は,受験当日によほどの大失敗をしないかぎり合格となる。
「内定」をもらった生徒の最低点がそのまま「合格者最低点」となるのだ。
一方,内定をもらわずに受験したとしても,その合格最低点を上回っていたら当然ながら合格となる(注)。
実は,内定の基準は中学ごとに変えてある。
中学によって学力格差があるから。
かと言って,あまりに差をつけすぎるのも気がひけるので,ゆるやかな差をつけてある。
具体的には相談に来られた塾生のA中学は実力テストの平均点で内定。そこよりかなりレベルの低いB中学だったら平均点の20点プラスで内定を出すというように差をつける。
が,しかしである。
実際に塾でA中学の生徒とB中学の生徒を見ていると,その差は20点どころではないのだ。
同じ評定だったら100点ちがっていたりする。
500点満点で100点の差があるのに,内定基準は20点しか差をつけていなかったりするのだ。
だから,A中学の生徒は80点くらい低く見られているのである。
公立高校の指導も同じような感覚で指導されるのだろう。
だから今回の塾生の50点不足も私立併願校からすると妥当な線かもしれない。
というわけで,中学校の指導どおりに受験すれば100%合格するが,それは150%合格するくらい安全なところだったりする。
相応校はもっと他にあるのだ。
中学側からすると100%合格するのだから良いではないかとなる。
15の春を泣かすなとかいう古いフレーズもある。
しかし,これは結果的に府下全域の学力レベルを下げていることに気づかねばならない。
知事や何やらの会が変な改革をして教員をいじめても学力は上がらない。むしろ下がる。
実力相応かそれよりも少し上のレベルを目指して勉強させるのが最も生徒が伸びる目標設定なのだ。届きそうな,でも頑張らないと届かないというレベルを設定してあげるとすごく伸びる。それを,現在の状況で十分に合格できる学校を受験するとなると,そんなに頑張って勉強するはずがない。学力を落とさない程度にやっていれば合格してしまう。
受験戦争とか過度な競争とかを嫌うあまり,勉強しなくてもいい方向に誘導しているのが今の大阪府の状況なのだ。
(注)についてはここでは書けないこともあるので塾でお話ししましょう・・・アウト覚悟ちゃうんかいっ!?
にほんブログ村
にほんブログ村