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尾崎塾
富田教室

[2012年4月27日]

塾は何を売っているかpart2

昨日体験授業に来られた方の質問は,多くのお母さん方も聞きたいことだと思う。

「他の家の子は,家でどれくらい勉強してるんですかね?」

うーん,よく聞かれるのだが,実はよくわからない。
というか,全くわからない。
だって,他人の家に入り込んで見たことないし(あったらヤバイ)。
わかるのは自分の経験と自分の子どもの様子くらい。
でもこれは標準的な家庭とはきっと異なっている。
一般的にどうかは,統計をとらないとはっきりわからない。

そこで,学校に勤めているときに,職権を利用して生徒にアンケートをとったことが何度かある。いや,何度もある。
これも,生徒の自己申告が本当なのかウソなのかはわからないのだが,正直に申告しているとしよう。
すると,驚くべき結果になるのだ。
どうも信じられないから何回もいろんな生徒にアンケートをとったわけ。

どんな結果か。

生徒の成績と家庭学習の時間は比例しない。

これは困った。
だって,成績を上げたければ勉強しなさいと言いたいが,単に勉強時間を増やしてもだめということだ。
家庭学習の時間と成績とは相関がないのだ。

そういうこともあるので,ウチの塾で家庭学習について何をしたらいいかとか質問されるとテキトーなことしか答えられない。

模範解答例1「市販の問題集でもやればいいでしょう。」
模範解答例2「学校の予習復習をされればいいでしょう。」
模範解答例3「好きな本を読んで教養を深めるのもいいでしょう。」
模範解答例4「TVや新聞のニュースなんかを見るのがいいですよ。」

でも,すべてに共通する心は,「ぼーっとしてなかったらいいのでは?」ということだけ。

たぶん,家庭学習はそんなに成績に関係がないのだ。

では,成績に関係があるのは何か?

1つは絶対に学校の授業だ。
これをおろそかにしては全く成績向上はありえない。
学校の勉強がベースにあるから塾でも教えられるのだ。
で,2つ目が塾の勉強だろう。
「塾だと勉強するんですが・・・」はお母さん方の合言葉。

これが本質なのだと思う。
学校の勉強を補うべく,学校以外で勉強する場を提供するのが塾なのである。
家庭学習ができる子は全体の3%くらいしかいない。
なぜ3%かというと,その子たちは内申10の子なのだ。
でも,内申10の子も塾に行く。
家で自分でできるのに塾に行くのだ。
理由は1つ。

その方が楽だから。

そのメリットは学力の高い子ほどよく知っている。
つまり,家庭学習の一番のハードルは,その日に何を何時間やるか決めることなのだ。
これがかなり面倒だ。
家庭学習できない原因のダントツ第一位は「何をしたらいいいかわからないから」なのだ。

さて,今日のタイトルの答えが見えてきた。
塾の最大の役割はコレを解消してあげること。
つまり,塾に来たら何をやるかは明白に提示されるのだ。
だからそれをやって帰る。
めでたしめでたしとなる。

特にウチの塾は非常に勉強しやすい環境を整えてそれを売っている。
それがわかってきている生徒はぐんぐん伸びる。
こんなに楽でいい環境は他にないから。

ところが残念ながら親から見ると,家で勉強すればいいのにと思ってしまう。
理想を言えばそうだ。
家でやる=お金がかからない。
塾でやる=お金がかかる。
これと勉強する,しないを組み合わせると4パターンある。

?家で勉強する。
?家で勉強しない。
?塾で勉強する。
?塾で勉強しない。

?がいいに決まっている。
しかし,先述の理由でこれができない子が97%なのだ。
で,塾に行かないと?になる。
塾を選ぶと?か?だが,?の可能性がかなり高い。
だから,自分の子に勉強をさせたかったら,?か?しかなく,
?の可能性は3%しかないので,ほぼ?しかないとあきらめるしかないのである。
ときどき?を売っている塾もあるので,そうならないように塾を選べば自分の子が勉強するということを購入できるのである。

さて,ここで明確にしておかないといけないのは,受験の合格は売れないということ。
それを看板にして売っているかのような塾もあるかもしれない。
しかし,そんなことができるのなら,それはきっと裏口入学みたいなことしか無理だろう。
合格の可能性を高める勉強をするしかないのだ。
つまり,塾はそういう勉強のできる環境を売っているだけなのである。




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