[2012年5月3日]
学校のクラブ活動をやっている生徒は連休も試合などで忙しいことと思う。
それはそれで良いのだが,本当に良いのだろうか?(意味不明?)
中学校と高校では分けて論ずるべきかもしれないが,共通点も多いのでまとめて書いてみる。
「そのクラブ活動で一生の財産を得ることができますか?」
と聞くと,まあ,90%以上は「YES!」と答えるだろう。
そう信じるからこそクラブ活動を継続しているわけだ。
しかしよく考えて欲しい。
「もしもクラブ活動をやらず,その分の時間を勉強に費やしたとして得られる一生の財産と,そのクラブ活動で得られると信じる一生の財産はどちらが大きい?」
こう聞かれて,後者であるとキッパリ言い切れるのは50%以上いるだろうか。
前者の意味がわからない?
具体的にクラブ活動に費やす膨大な時間を勉強に振り替えるとすれば,クラスで真ん中くらいの成績の生徒なら,上位5人とかに入れる。公立高校のトップ校か2番手校が射程内だ。すると大学は国公立大学が見えてくる。その先の人生は,順調にいけばかなりの財産になるだろう。ここでいう財産とはお金の面だけではなく,人間としてのすべての価値と思ってよい。一方,クラスで真ん中くらいの生徒が行く公立高校から国公立大学はほぼ不可能。関関同立なども難しい。その先に得られる人生の財産はどの程度なのか。
こう言うと必ず反論する人がいる。いちいち論破してあげたら気の毒なので相手にはしないが,その人たちの主張はこうだ。
「いくら学力が高く,一流の国公立大を出ても,人間的に尊敬されるようでないとダメでしょう。」
はい,おっしゃる通りです。それには反論しません。しかし,クラブ活動をしすぎてその結果,一流の大学に入れなかった人はすべて人間的に尊敬できる人だということにはなりません。逆に,クラブ活動をしなければ人間的に尊敬できる人間になれないわけでもありません。勉強していろいろなことがわかる学力を持つということは,むしろ人間のいろんな事情も勉強するわけで,クラブ活動に盲目的に没頭してしまって視野がせまくなった人間よりも数段すばらしい人格を持っている可能性もあるでしょう。つまり,人間関係とかを築くとかいう幻想を,大切な勉強をおろそかにして良い理由にしているのではないだろうか。
これは以前に書いたことがあるが,クラブ活動と勉強の両立というのはあり得ないと思う。
あるとしても全国に10人いるかどうか。クラブ活動を3年間続けて,大学は国公立大に行くというのは全国に山ほどいる。しかし,3年間続けたというだけで,全国優勝したわけではないでしょう。それで,国公立大に入ったというだけで,東大の理?とかに入ったわけではないでしょう。これは私の経験上の話だが,確かに私はテニス部の活動を高3の夏までやって,現役で国立大に入った。しかしテニスでは全国大会には出場できなかった。もしも勉強をほとんどせずにテニスばかりやっていたら,全国大会には出場できていた気がする。半分社交辞令的にかもしれないが,テニスで全国大会に出場する学校の先生にそう言われたこともある。一方,国立大に現役で入ったものの,京大レベルまでは達しなかった。受験していてもまず不合格だっただろう。しかし,テニスに明け暮れた日々をすべて勉強に費やしていたら,京大に現役合格の目もあったかもしれない。だから,クラブ活動をそれなりのレベルでこなし,国公立大に現役で合格したとしても,どちらも最大最高のものを得ていないのである。こういうのは両立とは言えないのだ。
ちょっと数値化してみる。
<<クラブ活動>>
レギュラーになれない部員で早めに引退30点
レギュラーで3年間最後まで継続した府県大会レベル50点
全国大会出場レベル80点
全国大会上位レベル100点
<<勉強>>
近大くらいの私立大学合格30点
関関同立合格50点
国公立大合格(東大京大以外)80点
東大京大合格100点
さて,持ち点は中学の時の勉強で決まると仮定する。(そう思う)
たとえば私はそれで150点くらいの持ち点があった。
で,大学に90点,クラブに60点を使って,両方とも余裕を持ってこなせた。
だからたぶんどちらかに絞っていたら100点をゲットできていたかもしれない。
それを選ばなかっただけなのだ。
大切なのは150点くらいあると選択の余地があるということ。
ちなみに中学の時にかなり勉強しないと150点は持てない。
高校入学で50点の持ち点の人。
どうしますか?
関関同立に行きたければ選択肢は1つしかありません。
選択の余地がありませんね。
なのにクラブ活動をしている人が多いのが不思議です。
今,中学校でクラブ活動に多くの時間を使っている人。
何点持っている高校生になりたいですか。
そのクラブ活動をやり続けると50点しか持ち点が得られない可能性が高いです。
クラブ活動の時間を勉強に費やすと悪くても100点はありそうです。
選択の余地がある高校生活を送るかどうか。
今が分かれ目なのです。
この中学のクラブ活動が,実は人生を左右する時間だということをしっかりとわかって過ごして欲しいと思うのです。
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