[2012年5月3日]
今日は2階建てでいこう。
クラブ活動の教育的な効果を否定しているわけではない。
むしろ,私自身はクラブ活動で非常に大きな財産を得たクチだ。
しかし,中学生や高校生の本分はというと勉強だと思う。
そっちを大きく侵食してまでクラブ活動をしすぎている生徒が多いのだ。
大切なのはバランスだ。
放課後の2時間くらいをクラブ活動に使って,あとは家でゆっくり過ごすのもよし,さらに学力をつけるために塾に行くもよし。
なのに,クラブ活動があるので塾に行けないという生徒がかなりの数に上る。中には塾があるのでという理由でクラブ活動を早めに切り上げる生徒もいるが,これはかなり難しい。みんなが練習しているときに抜けるのは勇気がいる。そもそも連帯感とか人間関係を構築していくクラブ活動の一番大切な部分を犯している。だから,クラブ活動をするのであれば,早退などしない方がよいにきまっているのだ。すると必然的に塾の方をあきらめるということになる。その結果,本来もう少し勉強して学力を高められるはずの生徒が平均点くらいの成績でずーっと過ごすことになる。3年生でクラブを引退してから猛勉強して間に合えばいいが,現実はそんなに甘くない。かくしてクラブ活動で得たモノと引き換えに人生の大切なモノを得られないことになる。
そう,人生は何がいいことなのか,結果論でしか論ずることができない。だから,それで良かったと思うしかない。ただ,その結果論を外から見ると,本当にその生徒のためになったかどうか疑わしい例も多い。確かに人間的な成長を得た。友達も得た。思い出もできた。その一方で学力がついていない。進学先は大学受験する生徒が半数くらいのレベル。専門学校に行くか就職する。とはいえ,専門学校卒や高卒では正社員にはなれず,不安定な一生涯を送ることになる・・・。クラブ活動で得た人間性は申し分ない。でも就職できない。クラブ活動で得た友人が就職の世話をしてくれるわけでもない。もっと言いたいのは,そうさせたクラブの顧問の先生方。学力をつけさせなかった責任をとるはずもない。クラブも勉強もやる子がすばらしいと,美辞麗句を言われて,それを真に受けて,クラブ活動を一生懸命した生徒が順風満帆な人生を送れないのは悲しいことだ。
繰り返すが,クラブ活動はやって欲しい。ただ,勉強とのバランスを考えずに,生徒の一生を左右するような取り組み方をしているクラブが多いことを指摘しているのだ。放課後にしっかりやるのはいい。毎朝,練習するのはやりすぎ。日曜祝日に練習するのはいい。朝から晩まで丸1日練習するのはやりすぎだ。たとえば甲子園をめざす強豪校がそれをやるのはいいだろう。選手も親もそれを望んで入部しているのだから。しかし,なんとなく楽しそうだと入ったクラブで同じような時間拘束されたらたまらない。甲子園をめざしてプロ野球選手になろうとしている人と同じだけクラブ活動に時間を費やしてどうするのだ。
普通の生徒は勉強して,さらに進学を考えないといけないのだ。そういったことを保障せずに無茶なことをしているクラブが多すぎるのだ。
クラブ活動して得られるモノ − 失うモノ ≧ 0
であればいいのだが,たいていは負の値になっているのが現状だろう。
数値は前回の点数化したもので考えていいのではないか。
全国大会に出場して80点をゲット。しかし,大学は近畿大学くらいに入ったとしよう。
勉強をしっかりやったら国公立大合格だったかもしれない。でも大学の点数からするとマイナス50点だから,80点をゲットして50点失ったのだからまあいいかという感じ。
私の場合はクラブ活動で50点くらい得たし,進学面でもマイナス20点くらいにしかならないと考えて納得できる範囲だ。
しかし,負の値になっている人が非常に多いという現状を考えて欲しいと思うのである。
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