[2012年6月21日]
塾に来る生徒あるいは来させる親御さんが何を塾に期待しているか?
多いのは「勉強がわからないから教えてもらいたい」と考えているのではないだろうか。
しかし塾に行ったら急にわかるようになって成績が上がるという事が本当に発生するのだろうか。
勉強がわからないという原因を掘り下げて考えてみよう。
学校の先生の説明がトンデモなく下手でわからないのかも。
「あの先生の説明わからん」とはよく聞く話だ。
一方,成績のいい子は塾に行っている。
塾の先生の説明は上手だからよくわかるのではないか。
塾に行かないのでわからないのではないか。
そう考えるのも無理はないが,実際はそうでもないのだ。
まあ,学校の先生の説明がそんなにトンデモなく下手だということはめったにない。
なのに非常に頻繁に学校の授業がわからないという生徒が発生する。
どうも確率的には矛盾している。
ということは,おそらくこれは授業の受け方に問題があるのだ。
受け方が下手というより聞いてない方が多いかもしれない。
こういう生徒はクラスの中に半分くらいいるかも。
先生の授業が全くダメである確率よりはるかに高い。
先生はちゃんと説明しているのに聞いていないか聞き方が下手で伝わっていない。
それでその生徒が家に帰って悪い成績を親に咎められると,言い訳として「先生が悪い」が発生する。
本当に先生が悪いのか,隣の親御さんに聞いてみると,「ウチの子も先生が悪いって言ってるわよ」となる。「そういえば○○さんもそう言ってた!」という情報もある!
こうしてちゃんと授業している先生が悪い先生になっていく。
中学校の授業でそんなに上手と下手があるわけがない。
「2乗するとAになるような数をAの平方根といいます。2を2乗すると4になりますから2は4の平方根です。また,−2も2乗して4になりますから,4の平方根は2つあるのです。」という説明以外に何もない。あとは例を挙げて計算の練習をするだけだ。説明に上手と下手があるのが想像できない。私でもきっとそのように説明する。たとえ話などに若干の差はあるだろうが,基本的な説明は同じだ。教科書にもちゃんと説明が書いてある。
「日本で最も長い川は信濃川です。」と言うのを教えるのに上手と下手があるのか?
できる生徒はそれを覚えておこうとする。できない生徒,聞くのが下手な生徒は覚えようとしない。なぜなら覚えなさいと先生が言わなかったから。いや,仮に覚えなさいと言ったとしても覚えようとしない。覚える気がさらさらないから。ちゃんと聞くのが下手な生徒はその覚えなさいと先生が言ったところを的確に聞き逃す能力に長けている。うっかり聞いてしまっても大丈夫だ。いや,覚えなさいと言った気がするが,俺に言ったのではないのかも。こんなに大勢に向かって言っているのだから,俺に言ったのではない。きっとそうだと確信している。
不幸なことに,そういう生徒のために個別指導の塾が大流行だ。
隣に座った先生は,自分に対して個別に指導している。おそらく先生は独り言を言っているのではないはずだ。これは聞かないといけないことかもしれない。まいったな。学校で通用する言い訳がここではできない。やばいやばい。
こうして,授業中に楽しく雑談してくれる先生の人気がグングン上昇することになる。
あなどってはいけません。やらない生徒のやらないことにかける執念を。
絶対勉強なんかしてやるもんか!
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