[2012年6月22日]
“やる気スイッチ!”というモノがドラえもんのポケットから出てきたらいいが,ドラえもんを所有できる可能性はきわめて低い。
TVコマーシャルでやる気スイッチを押してくれる塾が宣伝していたが,スイッチの入らなかった多くの生徒があれを誇大広告で訴えたら勝つだろう。
そこでウチの塾の出番か?というとそうでもない。
たぶん,入塾する“決心”がやる気の“スイッチ”なのだ。
ウチの塾はひたすら演習中心。やる気のない生徒にはむしろ地獄だろう。
だから入塾を自らの意思で決めた生徒は既にスイッチが入った状態なのである。
不幸なのは本人の意思で塾を選ばず,親御さんに勧められるまま入塾した生徒。だから,入塾前に必ず体験してもらって,「くれぐれも本人がここでぜひやりたいと言ったら入塾を考えて下さい」と言って,決してその場で入塾手続きしてもらわない。必ず家でしっかりと考えてから後日に申し込んでもらっている。その後,連絡がなかったからと言ってこちらから勧誘したり催促のようなことは今まで一度もしたことがないのだ。
それでも一定の割合でやる気のない状態で入塾してくる生徒がいる。
統計をとっているわけではないが,20人に1人くらいはどうにもやる気が出てこない。
シャーペンをいじったり手や爪をいじったりする時間が長い生徒がいる。また,寝てしまう生徒もいる。たまに非常に疲れている時に寝てしまうことはあるだろうが,毎回寝るような生徒はひどい場合には退塾していただく。ウチの塾は真面目に勉強する環境を売っているのだからそれを自ら乱す人は来ても意味がないし他の生徒に迷惑なのだ。だから退塾勧告をするのにためらいはない。住民の命を守るために避難勧告を出す市町村長と同じくらいためらいはない。意味不明?
まあ,改善される余地のある場合は猶予を与えることもあるが,あまりに迷惑をかける場合は退塾していただいている。過去,強制的に退塾していただいたのは3名しかいないが・・・
3名しか?いや,塾業界の常識では3名もである。たいていの塾は生徒さんを集めるのに必死なので,誰でもいいから入塾してもらおうとする。詳しく言うと,進学実績のかせげる優秀な生徒は授業料を免除してでも入塾させる。その分の収益を勉強のできない下位の生徒から集めるので,要するに授業料を払ってくれたら誰でもいいのである。ところがウチの塾は成績が良かろうと悪かろうと授業料は同じようにいただく。これはすなわち,どの生徒にもその生徒の能力が最大限に伸びるように全力を尽くすということだ。どの生徒にも同じように勉強しやすい良質な環境を提供するのが売りなのである。そこにやる気のないオーラを持つ生徒を入れるわけにはいかない。だからご退塾願うのである。その方たちが授業料を2倍払うと言ってもダメ。他の大勢の生徒の迷惑になる生徒はサヨウナラだ。
学校と塾の違いはココかもしれない。学校はなかなか退学処分にはできない。塾は経営が苦しいところはダメだが,余裕があれば環境保全ができる。
ウチの塾は経営が苦しいという理由で方向がブレるようなことがない。おかげ様で普通に生きていくだけなら予備校の収入だけでもなんとかなるから塾に生活がかかっているわけではないのだ。だから教材費をいただかない一方で教材費をたくさんかけて指導できる。先日も税理士さんが「教材費が多いですね。」と驚いておられた。塾の3大支出はテナント料と人件費と広告費だと聞くが,ウチの塾はテナント料,人件費の次に教材費を使っているので“愚かな”塾なのかもしれない。
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それにしてもみんな真面目によく頑張る。
いくらでも教材の「おかわり」自由だ。
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