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尾崎塾
富田教室

[2012年8月27日]

学校案内の正しい見方6(クラブ活動編)

★クラブ活動

学校は勉強だけしに行く場所ではない。クラブ活動は生徒によっては生活の多くを占めるので重要だ。

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どの程度のことをクラブ活動に求めるかを明確にして学校を選ばないと,特に私立高校の場合は失敗する。
全く趣味の延長で,楽しく過ごす時間が欲しい生徒が,全国大会をめざして厳しく練習するクラブしかない学校に入ったら居場所がない。
逆にクラブ活動の実績を踏まえた大学進学を考えている生徒が遊び半分のクラブしかない学校に行っても意味がない。
これらの内容は,学校パンフレットからある程度知ることができる。
強いクラブは全国大会○○年連続出場とか全国制覇とか書いてある。
吹奏楽とか音楽関係でよく見られるが,指導者の名前がちゃんと書いてあれば気合が入っている証拠だ。
卒業生にプロ野球選手やJリーガーがいるとか,パンフレットに載せる以前に強いかどうかの見当はだいたいつくものだが,ではそのクラブが自分に合っているかは微妙なところがある。
多くのクラブは入学前に体験や見学をさせてくれる。実際に高校の試合を見に行くのもいいだろう。そうやって実際に足を運んでみないとやはり合う合わないの面はパンフレットだけでは全くわからないものなのである。
できれば生徒と保護者と実際の指導者でお話しさせてもらう機会をつくるのがよい。
ちなみに私の娘はテニスで高校進学したが,いろいろな学校の指導者と直接お話しさせていただいて,信頼できる方のおられる学校に決めた。その際に,パンフレットには載っていない特待生の条件も聞けば教えてもらえる。行動しなければ教えてもらえない。

クラブ活動での進路の実際はどうか。
プロになるかどうかはトップクラスの選手であって,そうなれればいいが,多くの生徒はレギュラーであってもプロのレベルまでは達しない。
すると大学とか社会人で競技を続けることになる。
昨今は不景気で実業団など社会人でスポーツを続けるのが困難な状況ではある。
一方,大学でやろうと思っても,これもかなり狭き門なのだ。
早慶で六大学野球をやろうと思っても,まず全国大会でベスト4以上の成績が最低限必要で,その中でも特に優秀でないといけない。PLの桑田や早稲田実業の斉藤佑樹のように優勝投手なら合格だ。関関同立くらいに入りたいと思っても厳しい。競技にもよるが,全国大会に出たくらいでは入れてもらえない。全国ベスト8とか悪くて16で,主力選手であることが条件。少し条件が緩くなるのはAO入試だ。これは全国大会出場レベルのクラブで,たとえばキャプテンをやっていたなど,何かPRできるモノがあれば合格できたりする。
全国大会に出場した(1〜2回戦負け)というレベルだと産近甲龍レベルだろう。
吹奏楽など,文系の方はもっと厳しい。たとえば音大には入れるとしても,音大卒で仕事があるかというと・・・
大学を卒業した後にどうするか。ちゃんと就職できるかどうかは人生にかかわる大問題だ。クラブ活動を主体にした人生設計はかなりのリスクがあると考えざるをえない。

一方,勉強で大学進学を考えている生徒の方こそよく考えてクラブに入らないといけない。安易にだらだらと長時間練習するクラブに入ってしまったら,勉強する時間がかなり減ってしまう。一旦入ったら,人間関係もあるので辞めにくい。将来,それなりの大学に進学したいのなら,クラブ活動をあきらめて勉強に専念するのも賢い選択だ。

よく学校案内に「文武両道」とか書いてあるが,たとえば大阪桐蔭高校が高校野球日本一で,進学は京都大学に50人であっても,全国優勝の野球部員が京大に行くわけではない。京大に行く人は勉強ばかりに専念し,甲子園で優勝する人は野球ばかりに専念しているのだ。そういうのを文武両道というのかは疑問ではある。


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