[2012年8月27日]
★教師陣
こういう講師自慢は予備校の専売特許だったが,昨今は学校のパンフレットに散見されるようになった。
まあ,名前と顔写真入りで載っているので,その学校の自信の表れのようにも見えるが,これはあてにしない方がいい。
そもそも,その先生に担当してもらえるかどうかは運次第。
先に述べたクラブの指導者なら別だが,進学指導に実績のある教師がすべての生徒を見るはずがない。たいていは学年に所属しているので,3年に1回しか担当してもらえない。あるいは,最上位クラスしか担当しないのかもしれない。
それに,教師1人の力で合格実績など出せるはずもなく,これも先に書いたが,学校の授業がすばらしいから難関大に合格したのかというとそれはわからない。
それに,ある生徒にはフィットしても他の生徒にはどうも合わないなど,強力に指導する先生ほどクセがある。だから生徒とのトラブルが絶えない場合も結構あるのだ。
学校案内のパンフレットはイメージだけのものだから,年寄りの多い学校でも若い先生ばかり載せたり,場合によっては教諭ではない講師をパンフレットに使用する。講師は来年その学校にいない可能性があるのに。
それに,学校は予備校と違ってチームプレイで生徒を指導していくものだ。
学年団というチームで学年を,担任と副担任と教科担当者でそのクラスを導いていく。突出した個々の教師の力量を宣伝に利用しているのは,集団指導の力が乏しい証拠と見えなくもない。
具体例として私の経験を少し。
私が高校の進学クラスを担任していた時,例年に比べて明らかに国公立難関大学の合格者が増加した。
その学校で同じクラスから2名の京大生が出たのは過去2回しかないが,いずれも私が担任していたのだ。
京大に行く生徒がいると当然阪大や神大に行く生徒も出る。
しかし,これは私の教科教授能力が秀でていたからではないのだ。
担当している科目(理科)だけが優秀になっても全く歯が立たないのが難関国公立大なのだ。
で,何をしたのか。
それはチームをうまく機能するように仕事しただけ。
個々の先生方と連絡を密にとって,情報を提供し,担当の先生方の要望を聞いてそれが実現するように動いた。
各先生方はそれなりに忙しいので,その調整をうまくやったのだ。
そうすることで,チームとして生徒のめんどうを見ることができ,進学実績につながったのである。
こんな風に,全体で生徒をしっかり指導しようとする学校を選ぶと後悔しないのではないかと思う。
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