[2012年8月30日]
30日午前4時5分ごろ、宮城県沖を震源とする地震があり、宮城県南三陸町と仙台市で震度5強を観測した。気象庁によると、震源の深さは約60キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.7と推定される。この地震による津波の心配はないという。
というニュース速報だが,すごく違和感と不快感がある。
最後の表現。
「この地震による津波の心配はないという。」
どういう感覚で報道しているのか聞きたい。
「気象庁がおっしゃるには,津波はないというが,本当かどうかわからないので各自判断して下さい。」
なのか,
「気象庁がそう言うけど,役所の発表は原発が安全だというのと同じで信用できないから各自で判断して下さい。」
なのか,
「津波が起こる心配をしている人がいるかもしれないし,気象庁が津波がないと言っているらしいから付記しておこう。」
なのか,
「自社の報道で,もしも津波がないと言い切っておいて,実際に津波が発生したら責任を問われるので,伝聞調で書いておいて気象庁の責任であることを明確にしておこう。」
なのか・・・
地下60kmでMが5.7なら津波が起きないのは素人でもわかる話なのに,依然としてこの報道姿勢であるのが気に入らない。
あの東日本の震災を経て,今なお日本人のリテラシーがその程度なのだ。
おそらく報道する側も不勉強で,この条件なら津波がないと言い切れるようになっていないのである。
おそらく,気象庁が津波の心配がないと言うまではこんな報道をしていたに違いない。
「念のために津波に注意して下さい。」
これって,降水確率が0%という発表なのに,「念のために雨合羽着て長靴はいて,傘をさして出かけて下さい。」と同じ意味なのだが・・・
現時点で阪神やDeNAの優勝がまずないと言い切れるはず。
まあオリックスは可能性なくはないが(笑)&(涙)
問責決議で国会が空転すると言い切れるはず。
人間のやることの方が,まさかということがあるが,こと津波に関しては深発の場合は起こらないし,Mが6.5を越えないと起こらない。
こっちの方が誰だって自信を持って言い切れるようでないとおかしいのだ。
5kmも離れたところで誰かがささやいた声が聞こえますか?
5mでも聞き取りにくいのに。
深いと海底まで距離があって,津波を起こすエネルギーは伝わらない。
そもそもM5.7だと海水を持ち上げるエネルギーがない。
そういう常識が世の中にない証拠なので違和感があるのだ。
だって,あれだけ世間の人に関心のあった津波について,誰もそういった知識を身に着けていないなんて。
こういうことをマスコミがしっかりと報道していけば,自然と世の中の人に知識が浸透していくのに,やはりマスゴミと呼ばれるだけあって,そんな期待はできないということだ。
学校教育の中に,そういう防災に関するリテラシー教育を法的拘束力をもって導入しない限り,安全な社会を構築していくのは難しいと思う今日この頃なのである。
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