[2012年8月31日]
大阪府教委は30日の教育委員会会議で、公立高校入試で合否材料になる府内公立中の内申書について、絶対評価を導入する方針を正式に決めた。大阪府はこれまで全国で唯一、相対評価を採用していた。導入時期は「中学校で絶対評価が定着してから導入する」として決定しなかった。 (朝日)
という記事です。はい。
得意の未来予想をしてみる・・・。
5段階でつけるとして,全員に5をつけたり全員に1をつける先生が必ず出現する!
全員に5をつけた先生は呼び出されて指導を受ける。
指導を受けて常識的な評価に変更する先生もいるし,変更しない先生もいる。
後者はそれ以上指導できない。
だって,生徒の評価はその先生の専権事項であって,誰も介入できない。
しかも,生徒の不利益にならないのだから。
全員に1をつけた先生は呼び出されて指導を受ける。
指導を受けて常識的な評価に変更する先生もいるし,変更しない先生もいる。
ここで,変更しない先生には5をつけた先生と大きく違う圧力がかかる。
1をつけられた生徒は入試で不利になるからだ。
まず,保護者・生徒からクレームがくる。
それで突っぱねたとしても,保護者と生徒は武器を手にしているのだ。
それは「アンケート評価」
全員に1をつけようものなら全員から非常に不満との回答が集まり,その先生は給料が減る。
だから,そのうち1をつけなくなる。
それどころか,全員に5をつけて,非常に満足だと回答してもらうようになる。
これはどんな評価をつける先生にも働く力で,生徒に5を多くつけるほど,生徒や保護者からのアンケート結果がよくなる。
したがって,年々評価5の生徒が増えていき,やがてどの学校のどの生徒も評価5がついてめでたしめでたし。
とは,ならない!
もっとおもしろいことになる。
自然にまかせると上記のように全員5になるに決まっている。
だから,あろうことか,各学校で,5は何人,4は何人,3は・・・と人数を決めて,1はなるべくつけないようになどと注意書きのついた「内規」がつくられる。
実際は人数ではなく,全体の何%は5でというように割合を決められてしまうので,全員を5にするなどの極端な評定をつけられなくなるのだ。
そう,それは絶対評価とは言わない。
まさしく相対評価にもどってしまうのである。
というわけで,大阪府で絶対評価を導入するなどという絵空事は実を結ぶことがない。
現場が数年間混乱するだけで,現状の相対評価と何も変わらないのである。
変わらないのであれば混乱する時期の生徒がかわいそうなだけなのだ。
こんなアホなことを実施するのかどうか。
実施時期が「中学校で絶対評価が定着してから導入する」となっている。
定着してから?
つまり定着しなければ永遠に導入されない。
その定着の中身は今書いたように「内規」が定着することを意味するのである。
絶対評価を導入する方針を正式に決めたが,実施する時には実質相対評価になるという予想。
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