[2012年9月2日]
昨日の夜はNHKで防災についての特番をやっていた。
何人の人が見たのだろう。
NHKのやることだから,あたりさわりなく,各方面に配慮した内容であったが,見ておいて損はなかったと思う。
最大の問題は,せっかく良い番組を作ったとしても,ほんのわずかの国民しかそれを見ないということだ。
奇しくも番組の最後にゲストが言った言葉がそれを象徴している。
「こどもたちにしっかり伝えたいですね。」
誰が伝えるの?
まあ,全国の小中学生のうち,1%もこの番組を見ていない。
見た大人のうち,何%がそれをこどもたちに伝えるか,はなはだ疑問だ。
基本的に,現状ではこどもたちに防災についてしっかりと教育することは不可能なのだ。
さすがに,昨年の震災の後,各方面で防災について講座が開かれることが多い。
いろんな学会が責任感をもって,一般市民やこどもたちに防災講座を開いている。
しかし,それらは所詮,昨日のNHKのさらに何千分の1の影響力しかないことに気づかねばならない。
昨日の視聴率がどれくらいだったか知らないが,1%だとしても数十万人が見ていたと思われる。
一方,防災講座で1000人も集めたのはほとんど聞かない。
先日,高槻市の公民館に気象台&気象予報士会で防災講座をやったが,集まったのは年寄りばかり40名だ。
ほとんど社会全体の安全性を高めることに役立っていない。
言っちゃあ悪いが年寄りに教育しても,30年経ったら皆死んでるし。
日本中で,学会や大学や市役所などが防災講座をやっているが,どれも似たり寄ったりだ。
図で,黄色い部分は防災教育を受けない市民。
これが大多数。
そこで,私の構想を社会が採用してくれたらどうなるか。
今までの無駄にたくさん開いている防災講座と異なり,すべてのこどもたちがしっかりとした防災教育を受けることになる。
そう,学校教育で防災教育を受けることを法整備して義務化するのである。
どのこどももやがて大人になって,社会の中心メンバーになっていく。
現状とちがって,黄色い部分=一般市民の全員が教育を受けている社会をつくることができる。
どの大人にも防災についてのリテラシーがそなわっている社会は現在よりも格段に安全性が高まっているはずだ。
50年後の安全な社会を,今からつくりはじめようではありませんか。
この話を手始めに今度の地質学会のセッションに出す。
地質学会だけでなく他の学会などにも前振りしておきつつ,本丸は文科省と国交省,内閣府だ。
そちらを動かさないと実現しない。
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