[2012年9月3日]
昨日の情熱大陸で大木聖子さんが出演していた。
美人地震研究者で有名な人。
3.11後の地震学者のたいへんな生活を垣間見ることができた。
先日書いたのと同じ,地震で人は死なないということがわかっている人でよかった。
それで,この人はアウトリーチに汗を流していたのだが,そこでやはり行き詰るのだ。
彼女は年間80回も外部の人に講演しているらしい。
でも,それは3.11の翌年の今だから多いだけ。
一度に100人も集まらないので5000人にも啓蒙活動できていない。
ひょっとしたら2000〜3000人程度。
日本の人口1億人。
3000人はその0.003%だ。
わずかな割合の人が話を聞いてすごく地震学について詳しくなったとしても,それで全体の防災力が高まったとはいえない。
こんなことを,税金から高い給料をもらっている多くの人がやっている。
研究者1000人が同じくらい講演しても,全体の防災力は高まらない。
言い方は悪いが,自己満足に終わるだけだ。
たいていは専門分野の話だけ。
地震の防災を聞いても,それで雷雨に対する備えの勉強にはならない。
火砕流が来たら?
土石流の備えは?
総合的な防災教育を義務教育の間に年に複数回,9年間にわたって受け続けることを50年間継続すれば,彼女のような研究者が少しずつ頑張っている防災講座の何億倍もの成果が出る。
大袈裟でなく何億倍だ。
こういうパラダイム変換が必要だとずっと言ってきているわけ。
学校で教員が防災教育をするメリットはもっとある。
だって,教員は教えるプロだから。
研究者は所詮研究者。
わかりやすく伝える方法を勉強していない。
大木さんも自ら言っていたが,わかってもらっても行動してもらうのが難しいとも。
そういう教育心理を勉強している教員だからこそ,本当に防災教育をすることが可能なのだ。
そのために教員には必死で勉強してもらう。
でもそれは教員の自信回復,信頼回復にもなり,崩壊している学校教育を立て直すきっかけにもなるという,さらなるメリットもある。
この政策を与党に売りに行きたいが,与党がどうなるかわからないので今は土台をつくっておく。
今日もすごい夕立。
ちょっと虹が出た。
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