[2012年10月2日]
先日の台風も各地に被害を出した。
発達した普通の低気圧(温帯低気圧)でもすごい風が吹いたりする。
台風と温帯低気圧の強いのはどうちがう?
これはそもそものエネルギー源が違うのだ。
温帯低気圧は上空に冷たい空気=重い空気があって,下方に暖かい空気=軽い空気がある。
それが「くりんっ」と入れ替わるように動くからそれが風になる。
空気の位置エネルギーが温帯低気圧の原動力だ。
一方,台風は水蒸気の持つ潜熱がエネルギー源。
水は蒸発するときに熱を奪う。
だから水蒸気はその奪った熱を持っている。
熱が潜んでいるので潜熱という。
台風は大量の水蒸気を含む湿った空気でできているので,膨大な潜熱を持っている。
これが原動力になっているのだ。
どれくらいのエネルギーか,先日の台風で見てみよう。
下図は予報士が使うマニアックな資料。
日本の絵(わかるかな?)の南部に台風がある。
そのあたりに348という数字があるが,これは相当温位という数値。
要するに,水蒸気の持つエネルギーをすべて絞りだしたら,どれくらいの気温になるかを表している。
348というのは絶対温度(K)なので,273を引くと摂氏温度になる。
348−273=75℃
気温が75℃にもなるような熱エネルギーをもっていたのだ。
台風の中心部はもっと高い値になっている。
そのエネルギーはすべて気温になるのではなく,強風を起こすエネルギーになったりしているのである。
このように台風は南国のエネルギーを中緯度へせっせと運ぶ役割をしているのである。
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