[2012年10月11日]
読書について。
今,塾にもいろいろな本を置いてある。
塾生が手に取って見ているのをあまり見たことがないが,書店で自分の好みの本を選んで読んでいることを期待する。
私の場合,高校へは電車通学だったこともあって,かなりの読書ができた。
たとえばこの写真(塾に置いてある)のような本はいろいろ読んだ。
まずブルーバックス(講談社)。
「SF相対論入門」
この他,高校生の時にタイムマシンや量子力学,宇宙,生命やDNAに関するものなどを読んだ。
理系っぽい内容のことが高校生にわかるレベルで書かれているが,今の高校生に読むように勧めるとほとんど読まない。
読めないようだ。
難しすぎるのかもしれない。
でも,将来理系の分野に行こうとするなら,高校生でこれくらい読めないと話にならないと思う。
次に岩波新書。
新書はいろんな薀蓄が書いてある。
中でも高校生の時読んで,衝撃的に面白かったのがこの「名画を見る眼」だ。
絵画って天才がテキトーに描いているものだと思っていた。
実は小説家よりも考えて描いているようだ。
深い。
文庫本は手軽にいろいろ読める。
高校の先輩である川端康成をはじめ,文学史に出てくるような名作はかなり網羅的に読んだ。さすがに面白いものもあったし,高校生の自分には面白さがわからなかったものもある。ただ,それらを一度読んだことがあるのとないのでは,たとえば国語や歴史の授業でその作家が出てきたときのイメージがかなり異なってくる。実は,この経験はかなり役に立っているのである。
カフカの「変身」なんて,気色悪い話だが,常識として読んでおくべき作品だろう。
その他,好んで読んでいたのが歴史モノ。
特に幕末のあたりが好きだった。
高杉晋作や吉田松陰を読んで感動した。
彼らのように生きたいとも思った。
どこまで近づけるかわからないが,近づこうと思っていた。
ちょうど彼らが活躍した30歳手前の頃,わざわざ萩へ行って,高杉晋作の生家や松下村塾を見て来た。
それから20年経ってしまったが,まだ自分は日本を動かしていない・・・
長編では三国志を読んだ。
諸葛孔明のような人になりたいと思った。
パールバックの大地も読んだ。人間,人生というものについて感じることがあった。
あとはSFとか推理モノは大好きだった。
星新一は一通り読んだ。
眉村卓の時代考証についての講演を聞きに行ったことがある。
シャーロックホームズも一通り読んだ。
地質学者はみんなシャーロックホームズが大好きだという。
たしかに推理の過程がわずかな過去の証拠を基にしているので共通しているのだ。
間違いなく高校生の時の読書体験が今の自分を造っている。
今の高校生は読む量が少ないと思う。
しかし,私がそんなにヒマだったわけではない。
クラブ活動も人一倍やっていたし,試験勉強もそれなりにやっていた。
通学の時間をうまく使っていただけだ。
ぜひ将来の自分のために読書の時間を捻出して欲しい。
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