[2012年10月14日]
文字式を立てるのが苦手な生徒は多い。
普段は問題量をたくさんやることで「慣れ」による解消をしてもらっているが,今日の日曜特訓で中学1年生には手取り足取り指導してみた。
そもそも,問題文をきっちり読めていないのが多い。
それを解消するためには必ず図を描くことだ。
「鉛筆12本の値段がa円です。5本で何円ですか。」
というような問題なら,鉛筆をまず12本描くのである。
「3人がa円ずつ出し合って1個30円のみかんをb個買いました」
という問題文を見たら,人間を3人とみかんをいくつか描く。
この絵を描いて具体的に考えるのがまず必要なのである。
その具体性の中のある部分をaとかbという文字に置き換えて考えられるように訓練していくのである。
そのために,aとかbに何でもいいからある数値を入れて考えるように指導した。
話を作らせるのである。
こういう教育がよく日本の教育に欠けていると言われる部分だ。
3人が一人200円ずつ出して1個30円のみかんを12個買ったとすると,
全部で200×3=600円ある中から,30×12=360円使う。
だから残りが240円になる。
こういう話を作らせる。
別にaやbはいくらでもいいので,500円ずつ出し合ってみかんを40個買ったでもいいのだ。
正しい例は無数にある。
このような答えが1つでないことをさせると全く対応できない生徒を日本の教育は大量生産しているようだ。
幸い,今日指導した生徒はこちらの意図がわかってくれて,自由にいろんな数値をあてはめて解いていった。
具体的な数字だと式が簡単に立てられるし話の内容が見えてくる。
その中で,自分が勝手に決めた数値を使った式に色をつける。
問題文の文字を勝手に数値化したところに赤や緑の色をつけるのである。
その色のついた数値を問題文の文字にそのまま置き換えて立式すれば文字式のできあがり。
これが文字式を立式する正しい手順なのである。
やっているうちに,具体的な数字をあてはめて話を作らなくても,文字式のまま話を作れるようになる。
しかし,その練習をしないでいきなり文字式を立てようとして沈没している生徒が多いのだ。
高校生でも文字で式を立てるのに図を描くのを省略する生徒が多い。
図はどれだけレベルが高くなっても省略してはいけないのだ。
図を必ず描いて立式する習慣がつけば,それだけでノーベル賞に1歩近づいたと言えよう。それほど大切な習慣なのである。
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