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尾崎塾
富田教室

[2012年10月23日]

モルがわからない?

意味不明の質問(独り言か?)について。

毎年6月頃にあったが今年は新指導要領になって今の時期にずれてきた。

「モルがわからない」

うーん,正直何がわからないかがわからない。

たいていのわかりやすい本にちゃんと書いてある。

「12個を1ダースというように,6×10の23乗個を1モルといいます。」

これ以上の説明をしようがない。

難しいのはおそらくその数の定義の仕方ではないか。

それがわからないのはモルがわからないのではない。
諸般の事情がわからないだけなのだ。
1ダースが12個になった理由は諸般の事情でしょう。
誰がいつどのように決めたなんか知らなくても使えるし,それで1ダースがわかったわからないの話にはならない。

さらに関連して,原子の個数や分子の個数の話になる。
ここで原子と分子を混同して間違う生徒が多い。
これはモルがわからないのではなく,分子と原子の違いがわからないのである。
原子と元素もわかっていないのだろう。

それから組成式と分子式の違いもわからないようだ。
これは立体構造を把握する能力が足りないのかもしれない。
決してモルがわからないのではないだろう。

結局,何がわからないのかもわからず,新しく出てきた用語「モル」のせいにしているだけではないか。

そう考えると「モル」がかわいそうに思えてきた。

写真は岩塩構造の模型。
img1 これを見せて「赤と青の比が1:1になっている」と言うと納得してもらえない。
「青の方が1個多い」と言われてしまう。
確かにそうだが,この構造がずーっとたくさん続いているのを想像して欲しいわけだ。
それこそモルくらい続いているのだから1個多いか少ないかは気にするなってことだ。
しかも実際には不純物も入ってくるので,1個や2個は全く問題にならないくらい両者の比は1:1なのだ。

このあたりの大きな数に対してどう考えるかも慣れていないと難しいようだ。
有効数字の問題かもしれない。
こういう訓練は高校ではじめるべきものなのか。
実は中学生の時にしっかりとやっておくべきかもしれない。
というか,そういえばメンデルの実験で質問を受けたことがある。
答は3:1になるので,601と197を選ぶみたいな話だった。
こういうのは中学生でやっているはずなのだが・・・






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