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尾崎塾
富田教室

[2012年10月28日]

授業でこんな内容をやっている話

たとえば先日物理の演習で生徒に問題を解かせているときの黒板。

img1
はじめから板書計画があるわけではないので,落書きみたいなことになっている。

V-tグラフを読み取って,加速度や変位,仕事や仕事率を問う問題だった。

仕事率の最大値を求めるのに,公式どおりの仕事÷時間という概念では解けない問題だったので,仕事率の別の見方を解説した。
仕事÷時間=力×距離÷時間=力×速度と考えれば,力が大きくて速度が大きい時が最大値となるのですぐに解ける。
1つの物理量を他の観点で見るという訓練が必要。

√7が出てきて処理に困っていたので,およその値を覚えているか聞いたら覚えていなかった。
√6は?と聞いたら√2と√3をかけて求めているという。
ごくろうさんなことで,覚えておくと速いという説明をした。
そういうのを暗記するのをとやかく言う諸先生方が多い。
たしかにおっしゃる通りだ。
だが,そんな大先生方が覚えている人と勝負したら入試では負けるのだ。
理想的にはそんなのは覚えておく必要はないが,現実的には入試には時間制限がある。
時間制限があると,どうしても人間は焦る。
焦る原因は時間不足。
覚えておけば一瞬でできる概算を,貴重な試験中の時間を削ってやる必要はないのである。
これは受験を乗り切るためだけに言っているのではない。
将来直面する様々なビジネスシーンでもそうだ。
先方のお客さんを待たせたりすることでチャンスをのがすことも大いにあり得る。
自分の時間ではなく相手の時間を大切に考えられる人になってもらう。
そのためには時間の節約術は持っておくほうがいい。
関係ないが,その数値を覚える指導の流れでπの2乗=10みたいな話にもなった。
その例としてボーア半径の話になったりもしている。
原子の大きさに計算式があること自体がこの生徒には眼から鱗だったようで,そういった視野を広げるためにも一見余談だがいろんな話を加えてみる。

時間と加速度の関係を,平方根をとらないといけないところで2乗するミスをしていた。
文字式で立式して,それを変形して時間と加速度の関係を書いてから解くように指導した。
こういうのは頭の中で考えるとミスしがちなのである。

グラフの描き方の指導もしてある。
数学では含む含まないを●と○で区別するが,物理ではその必要はないし,むしろナンセンスだという話。
また,それをテーマにした出題でもあった。
その流れでベンゼン環の電子配置の話にもなっている。

1問解くだけで,これだけいろんなことを付随して学べる。
勉強はすればするほど面白くなっていくのである。


あっ,ちなみにこのような授業は高校生の数名と高卒生にしかしていない。
料金も1.5倍と別設定になっている。
この内容なら安いと思うが全員にはできないのがつらいところだ。




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