[2012年11月6日]
専門家でない人ほど断定したがる。
知ったかぶりしたがる。
知識をひけらかす。
↑
(私にあてはまりますが,それは置いといて・・・)
大学に入って地質学を専攻したが,一番衝撃的だったのがコレだ。
ある岩石を先生のところに持って行って,
「この石,何ですか?」
と聞いたところ,
「さあ,わからない」
という返事だったのだ。
大学の先生がそのへんの石がわからない???
一瞬耳を疑ったが,よくよく考えてみるとこれはすごいことなのだ。
私ならテキトーに答えてしまう。
大先生は,一見しただけではいろんな可能性が見えてしまうので,ちゃんと分析しないと正しいことは言えないということを知っているのである。
だから,本当にわからない(=可能性が無数にある)のである。
これが昨日の活断層の話にもなる。
私もいくつかのトレンチ調査や露頭で活断層を見たが,その現場だけではやはりわからない。
行って2,3日ですぐに結論なんて出ないと思う。
結論を急ぐのは非科学的なのである。
そういえば気象予報士試験を受けて,そういう洗礼を受けた。
どう分析してもそこに寒冷前線がある。
しかし,降雨が無い。
いくら考えてもわからないのでトンチンカンな答案を書いた。
解答を見てビックリ。
カタフロント
???
聞いたことない。
どうやら,暖気が寒気の上部を下降していくタイプの前線のようだ。
そりゃ降水もないだろうが,そんな事例を知らない自分としては思いつきもしなかった。
一般素人は寒冷前線は寒気が暖気の下にもぐり込み,激しい雨を降らせるものだと決めつける。
実際は状況によっては暖気の方が寒気よりも速く進む場合があって,そうとは限らないのだ。
専門家というのはそういう可能性もすべて了解してこうであると結論するのである。
応援よろしくお願いします。
↓
にほんブログ村
にほんブログ村