[2012年12月1日]
公立王国だった大阪府で私立高校の授業料無償化の流れができ,私立へ行く生徒が急増してきた。
【従来の大阪府民の考え方】
公立高校は安い。しかも楽しい。それでいてトップ校は京大阪大をはじめ難関大進学者も多く,勉強もできる。
私立高校は高い。規則が多くて楽しくない。公立に行けなかったアホな人が仕方なく行くところ。
ところが,それが全く違う話になってきた。
【大阪府民が気づいたこと】
公立高校は楽しい=遊んでしまって勉強しない。
勉強するには強制力が必要。
結局塾に行かせるからお金がかかる。
実は京大など本当に上位大学に進学するのは塾にしっかり通う公立高校生か私立の生徒である。
私立は家計が苦しい世帯は無償化で,公立と同じくらいの出費でよい。
それなりに楽しく,しかも将来の進学を意識した授業をしてくれる。
学校のシステムにフィットすれば塾も必要ない。
経済面,進学指導の安心を考えると私学の方が断然よい。
実際,公立高校の上位の生徒で通塾している人は非常に多い。
また,中下位の公立高校の生徒でアルバイトしている生徒が非常に多い。
アルバイトは悪いことではないが,その分勉強時間はなくなる。
遊ぶお金が手に入るので遊ぶ時間が増える。
私立は原則アルバイト禁止。
それだけでもプラスマイナス大きい。
というわけで,23年度から,私立専願の生徒が急増。
従来より5%以上アップというのはものすごいことで,公立高校で定員割れが続出したのは記憶に新しい。
その流れは今年も変わらないし,むしろ加速する可能性もある。
一部の人が気づいていた上記の内容が,ほとんどの人に浸透しはじめているから。
私学の定員:公立の定員比が3:7だったのが,私学が3割を大きく超す定員に増やしてきた。
公立は定員割れすると廃校なので定員を減らすという本末転倒なことになっている。しかし,定員を減らす数より不人気で入学者が減る数が多いので結局定員割れしそうな高校がまだまだ多い。
そういうわけで,先日も書いたが大阪府の高校進学の合格可能性なんか全く予想できない。
公立高校側は,私学への流れが受験日が早いことだという全く見当違いな発想の人がいて,来春の入試を1週間ほど早めた。
でも私学よりも早く入試をしないと全く意味がない。
早く合格を決めて安心したいというのは確かにあるから。
でもそれよりも,私学の方が教育内容に魅力があるので私学専願者が増えているのだ。
そこを改善しない限り,今年も私学への流れは止まらない。
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