[2012年12月7日]
ちょうど中学3年生は学校の先生との懇談で受験校決定を迫られる頃だ。
連日,複数のお母さん方から相談の電話なり訪問をいただいている。
いつも申し上げているように,公立中学の先生は100%合格する高校しか勧めない。
実際のところA高は100%合格する,B高は70%,C高は30%の可能性とすると,A高なら大丈夫と言う。
B高を受けたいと言っても「無理」とか「合格しない」と断言する。
「絶対無理」と言われた生徒もいる。
C高を言って鼻で笑われた生徒もいる。
すごい予言者達がそろってらっしゃるのだ。
しかし,あの大予言者であるノストラダムスの予言がはずれたように,予言が的中する確率は100%ではないのである。実際B高を10人が受けたら7人は合格するはずだが,過去にそんな受験生はいないだけなのだ。
受験者ゼロなので合格者はゼロだ。
過去の合格者がゼロだから「合格しない」のではなく「合格した人はいない」が正しい。
もしその生徒が受験したら「合格する可能性の方が高い」のだ。
しかし,依然として中学の先生はみんな上記のような調子なので,可能性が少しでもあるならチャレンジしたいという生徒にはつらいところだ。
ここで,息子や娘の可能性を少しでも広げてあげたいと考えるお母さんにできることがある。
三者懇談の時に頑張ってあげることだ。
先生がいくらB高は無理ですからA高を受験して下さいと言っても,「いいえ,ウチはB高を受けます」と言えばよい。
場合によってはC高だって受けられる。
今の学力で30%でも,その学校が非常に魅力的なら冬にまだまだ伸びる。
人間は目標が高ければそこへ近づこうとして伸びる。
現状の学力で合格できそうな学校をめざしていたらそんなに伸びない。
だって現状キープでいいのだから。
中学の先生によってはあからさまに不機嫌になる人もいるだろう。
それでも負けてはいけない。
自分の子供の一生の問題なのだから,子供が受験したいと思う学校を受験できるように頑張ってあげるのだ。
それをダメと言う権利はそもそも中学の先生にはないのだから。
中には今まで受験で不合格になった生徒がいないというのを自慢している先生がいるらしい。
ということは,その先生は多くの生徒の可能性を無視して,必ず合格できるようなランクの低い学校ばかりを勧めてきたわけだ。
かなり手ごわいだろうが,そういう先生にでも「B高を受けます」と言い張ればよい。
すると,ひょっとしたらこんな捨て台詞を吐くかもしれない。
「どうなっても知りませんよ!」
この言葉が聞けたら,ちゃんと何月何日,何時何分,こう言われたとメモしておくとよい。
それで,「今,こう言いましたよね」と復唱してあげるといい。
これはちょっと考えればわかるが,絶対に言ってはならないセリフだ。
生徒に何か悪いことがあっても知らないよ→嫌がらせしてやる
つまり,嫌がらせ宣言と取られても仕方ないセリフなのだ。
ある意味脅迫とも取れる。
後で教育委員会に言いつけておきますなどとプレッシャーをかけたら面白いだろう。
まあ,実際にそこまでしなくてもいいが,やろうと思えばできるという余裕をご家庭の方で持っておいてもいいと思うのだ。
ちなみに,そうやって先生と喧嘩するのは得策ではないので,単に「B高を(あるいはC高を)受けます,よろしくお願いします」と言えばいいだけ。
このように,受験校決定の際には,本来は味方であるはずの先生を相手にある意味戦わないといけない場面がある。
お母さんはそこで頑張ってあげて欲しい。
一方,お母さんにできないことがある。
これを自覚していないために,逆に子供の将来を狭めている方も多い。
当たり前のことなのに皆これで苦しんでいる。
冷静に考えてもらいたい。
それは
「お母さんは娘や息子の代わりに受験勉強することができない」
という事実だ。
これは事実なので受け入れてもらうしかない。
そんなことはわかっていると反論されそうだが,本当にわかっておられるか怪しい。
こんな考え方をしていないだろうか。
「自分が代わりに勉強するわけにいかないから,だから子供にアレコレ口出しせざるをえない」とか。
これは一見正しいことを言っているようだが根本的に事実を受け入れていない証拠なのだ。
「代わり」はできないはず。
なのに「代わり」をする「代わり」に口出ししているのだ。
その最初の「代わり」はできないし,する必要もないし,しても意味ないし・・・
何かしたい気持ちはわからないでもないが,実際のところ「何もできない」という事実をしっかりと受け入れていただいて,せいぜい受験したい学校を受験できるように頑張ってあげるくらいしかやることはないのだ。
あとは生活面で気を使ってあげるくらいしかない。
勉強が進んでいるか,合格可能性がどうかなどを気にする時点で「代わり」をしようとしてしまっているのである。
衝撃の事実をもう1つ。
母親が勉強内容に1回口出しすると偏差値が1下がる。
口出しするのを1回我慢すると偏差値が0.01上がる。
多くの母親は100回我慢するより先に1回は口出ししている。
さて,どうでしょう?
実際,我慢を100回やっていると,親の方が精神的におかしくなるだろう。
その解消のために子供の学力を削っているのが現状だ。
でも完全に解消できる良い方法が一つある。
それは「代わり」ができないということを本当に「わかる」こと。
それが本当にわかれば全く「我慢」しなくていいのである。
「代わろうとすることを我慢」しなくてよくなるのだから。
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