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尾崎塾
富田教室

[2012年12月12日]

高校入試で公立前期を受ける人が心しておくべきこと

産近甲龍など,推薦入試に合格しなくて良かったなどと書くと,何か負け惜しみを言っているようにとる人がいるかもしれない。
あるいは落ちた人への慰めのようにも聞こえるかもしれない。
でも,よくよく考えて欲しい。
ここで合格して,本当に頑張る生徒は少ないのだ。
少ない=聞いたことがない=ひょっとしていないかもしれない
20年以上にわたってそういう高校生を見て来た私が確信,実感しているのであるから信じてもらいたい・・・(私は予言者!)

それで,ついでに大阪府立高校の入試も同じように予言できたりする。
またまた長文だが,保存しておいて予言が当たるかどうか後日確認してみて欲しい。

最近は私立高校の授業料無償化などで,入試が2月初旬にある私学に合格してしまうと,何と公立高校の受験までしっかりと勉強しない(できない)生徒が増えている。
2年連続で公立高校入学者定員が減っているのは先日紹介したとおりで,それが何より証拠になる。
そこへ今年はさらに公立高校が前期枠を増やしてしまった。
これは国公立大学の入試に前期と後期があるのと同じ構図だ。
ということは,大学受験と全く同じような動きになるに違いない。
どうなるか。
普通はこうなる。
まず,ある程度良い私立高校に合格してしまうと,公立高校まで頑張る気力がなくなる。
へたすると,併願で出願しておきながら,公立の受験を待たずに専願に切り替える人も出てくる。(専願なら奨学金の対象になるが,併願ならダメとか言われたらかなりの率で専願に寝返る!)

前期しかない槻の木高校を志望している人は別にして,その他の公立志望の生徒はとりあえず前期も後期も受けることにするだろう。
2回受けられるのだから2回受けるのが当然と考えるのが普通だ。
でも,とちらで合格したいかというと,そりゃ前期に決まってる。
早く「楽に」なりたいのだ。
これは生徒本人もだが,実は親御さんが強くそうさせている。
親が早く「楽に」なりたいのだ。(←子の「代わり」をしている病気発症中!)
だから,前期はかなりの倍率になる。
たとえば今まで三島高校を受験していた450人が全員前期(定員80名)を受けるとする。
倍率は何と!5.6倍もある。
そのうち80人しか「早く楽に」なれないのだ。
仮に例年と難易度や入りやすさが変化しないとすると,残りの370人のうち320人が合格するのに,一度その高校を不合格になると「やっぱり自分には三島高校は無理だったのかも・・・」と弱気になる。
ふとこんな考えがよぎる。
「後期も無理かもしれないな。親もかなりショックなようだし,こんなに心が痛む受験はもう嫌だな。そうだ,私立に行くことにしよう。」
それでその日の夜に,その子は親にこう言うに決まっている。
「母さん,僕ははじめから私立のあそこに行きたかったんだ。前期受験してみるまでは思わなかったけど,その学校で受験してみて,この学校な何となく合わないと思ったんだ。ね,いいでしょ,その私学の特進コースだったら三島高校よりも面倒みてくれるらしいし,ちゃんとそこで勉強するからね。」
親にしても「早く楽に」なりたいのだから(むしろその子より),この提案は悪い話ではない。
かくして,公立後期入試は「本気で合格をめざす生徒」がどんどん減って行くのである。
こういう言い訳もできる。
「前期は理科と社会がなかったので今までしばらく復習せずにいたから,もうすっかり忘れてしまったよ。今からでは間に合わないなあ・・・」
ンなことは前からわかってるだろーに!と怒ってみても仕方ない。
そもそも,本人はもう勉強する気はサラサラないのだから。

先日,こんな話も聞いた。
中学の先生と進路の話をしていると,「後期は倍率がすごいことになって厳しいぞ!」と言われたそうだ。
はあ?逆じゃないのかと思ったが,まあ,ホント今年に限っては全く予想できないのだから,そういう見解があってもいいだろう。
でも,多くの先生がそう考えているのなら,ますます後期は受験する人が減る。
ひょっとしてその先生はわざとそうさせるために誘導しているのか。

というわけで,公立高校にぜひ行きたいと願っている生徒・保護者には次のように勧める。
よほど理科や社会が苦手でないのなら,公立前期入試は受けないのが良い。
多くの生徒が前期を受験して心が揺さぶられ,痛めつけられるのを横目に,しっかりと理社を含めた公立後期に向けての勉強をやっていく。
前期を受験した生徒は前期試験当日だけでなく,合格発表の日まで全く勉強をしない。
するはずがない。だって合格してる「かも」しれないから。
つまり,2月26日まではその多くのライバルは学力が上がらないどころか下がったり,受験意欲をなくしたりするだけ。あるいは,26日の不合格がショックで何も手につかない。
実はこのショックは1週間以上にわたって尾を引く。最近の子は挫折を知らないので立ち直りが遅いのだ。
よくて3月に入ってから気持ちを入れ直して3月11日の後期入試へと勉強をはじめる。
それこそ10日しかないので焦るばかりで受験勉強は崩壊する。
一方,前期入試を完全に無視して後期に集中した生徒は,思いのほか周囲がこけてくれるのでちゃんと実力を発揮すれば合格することになる。
めでたしめでたし。

img1 PDFにしたのでクリックしてみて下さい。
    ↓↓↓
高校入試前期メンタル

さらに良いことに,こうすることによって,計画的に実行する力,粘り強さ,周囲に流されない心など,一生の財産も手に入れることが可能。

この予言を信じて損する人はいない。
最低限,初めに合格した私学はキープしているのだから,その点ではマイナスは1つもない。
仮に予言どおり合格しなくても,途中で勉強をしない時期がある他の人よりも明らかに学力がついている。
実は将来の大学受験をにらんだ時に,このアドバンテージは大きいのだ。
その件についてはまた後日。


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