[2012年12月15日]
「早く楽になりたい。」というのは皆が抱いてしまう気持ちである。
まだ合格していない=行先が不明=不安
すでに合格している=行先決定=次への準備
どちらが良いかは自明のように見える。
ところが,実際はおかしなことになる。
早く合格が決定する高校や大学はほとんどが「レベルの低い」ところなのである。
例1:私立高校で,中学の担任がOKという学校は,すでに基準に達しているので,高校から合格の約束をもらっているということ。
その時点で合格が事実上決まるので,早く楽になる。
一方,中学の先生が難しいあるいは無理という高校を受ける場合,(実際は8割以上可能性があるのだが)合格通知をもらうまでは不安と戦うことになる。
例2:私立専願にすれば,入試は2月9日,10日で終わる。(事実上は出願した時点で合格確定に近い)
併願なら公立高校の結果が出るまで戦いが続く。
例3:大学入試なら,推薦入試を11月に受験して決まれば安心。
しかし,推薦入試があるのは産近甲龍レベルのみ。関関同立や国公立の推薦はほとんどない。早く決められるのはレベルの低いところになる。
例4:大学の推薦入試で,合格がほぼ確実なのは産近甲龍よりレベルの低い大学であって,産近甲龍は合格しにくい。
私学は生き残りのために生徒学生を確保しないといけない。
世の中が一斉に生徒学生を集めると,伝統のある上位校や学費の安い国公立に集中してしまう。
だから,受験生の心理に付け込んで,早く楽になる入試をやるのが私学。
高校入試も大学入試も国公立の入試は私学の後にある。
本当に行きたいのが国公立なのであれば,早く楽になりたいという甘い誘惑に負けている場合ではない。
今,中学3年の人が,この甘い誘惑に負けて高校を選ぶとする。
3年後にどうだろう。
早く楽になれるレベルの大学が推薦入試で合格させてくれるのだ。
その誘惑に負けない自信があるだろうか。
高校受験の時に甘い誘惑に勝てなかった人が,大学受験の時に強い気持ちで上位大学をめざすことができるだろうか。
はっきり言おう。
「無理」
今,中学3年生の人で,将来は国公立大学へと思っている場合は,公立高校の後期入試までしっかりと頑張りぬく覚悟がないとダメ。
さらに,先日書いたように,公立後期に向けてしっかり勉強したら,その分の学力がつくわけだ。
少しでも学力が高い状態で高校生活をスタートした方が,大学入試を考えても有利。
だいたい高1の1学期にあわてて塾に駆け込んでくるのは,高校の勉強のスタートをうまくきれていない証拠。
学力に余裕がある方が危険性が少ないのはあたりまえだろう。
何をどう考えても,高校入試のときに3月までしっかり頑張る気持ちを鍛えておいて損はないのである。
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