[2012年12月18日]
高校入試では耳を疑うような指導が横行しているようだ。
指摘しているように,公立中学の先生には一定のマニュアルがあって,先生はそのマニュアル通りの指導をしている。
私立高校の受験校決定では,実力テスト200点から250点の生徒にはこのセリフ,250点から300点の生徒にはこのセリフというように言うことが決まっている。
だから特に若手教師がそのセリフと違うことを言うのは難しい。
いわば舞台に出ている役者さんが脚本家の書いたセリフ通りしゃべっているのと同じ。
若手の役者が勝手にアドリブでしゃべったら怒られる。
なので,生徒・保護者の意に沿わない指導であっても,その先生に悪気は全くないのである。
悪役の役者が悪い人というわけではないのだから。
ところが,ある先生がその脚本通りに懇談が進まなかったので,こんなセリフを言ってしまった。
「先生の言った通りのところを受験しないのなら,君を応援しません!」
だって。
いや,別に応援してくれなくてもいいし,してくれたら合格可能性が高くなるわけでもないのでノーサンキューですが・・・
この「応援しません」は完全に先生のアドリブなので,その先生の人柄?が出てしまったのだろう。
何のために教師やってるんだろう・・・
このような極端な先生もいるが,多くは普通にマニュアル通りの懇談が行われ,点数通りの私学が割り振られていく。
でも,このブログを読んで賢くなった塾生は,そんな懇談で受験校を決められるようなことはせず,ちゃんと「何点足りないのですか?」と聞いて塾に帰ってくる。
たとえば20点足りないと言われても合格するだろう。
世の中にはいろんなレベルの中学があって,自分の中学が世の中の最低レベルだということは少ない。
他の中学ではもっとレベルの低い実力テストが行われているのだ。
公平に学力を測ったら,低レベルのテストで基準に達している生徒には勝つはずだ。
高校の側からすると,入試でその低いレベルの生徒は合格させるわけだから,それよりも学力の高い生徒が受験して(たとえ中学に示している基準よりも低くても),入試で得点を多く取った場合に不合格にする理由がないのである。
私のところに相談に来た場合,ほとんど思っている高校にGOサイン。
それで実際に合格してしまうのだ。
逆に言うと,普通に懇談して受験校を決めてしまっている場合は,実力より少なくとも1ランク,ヘタすると3ランクくらい低い高校を受験することになっているだろう。
そんな無意味な懇談に膨大な時間を割くよりも,それこそ学力が上がるように補習するなり,授業のための教材研究するなりすればいいのに。
それはそうだが,このような実態は京阪神だけに限ったことではないようで,おそらく関東でも同様のことがあるようだ。
理由は簡単で,中学の教師の威厳を保つため。
中学では教師が生徒の進路決定に絶対的な主導権を持っているとしておかないと,生徒・保護者が言うことを聞いてくれないから。
逆らうと高校入試に不利になると考えれば,反抗する生徒は減る。
そんな思想で行われているのである。
残念だが,その生徒の能力を最大限に発揮できる学校を吟味して,一緒に考えてくれる先生なんていない。
点数で割り振って,同じセリフを吐くロボットばかりだ。
そうやって,公立中学校はかろうじて教師の言うことを聞かせて,授業を成立させているのが現状なのである。
ちなみに,レベルの低い高校でも同様のことがあって,大学の推薦入試で学校の成績が点数になるので授業をまじめに受けないといけない。
特に大学入試はたいていの場合,高1の成績から全部得点になるので,高1段階でさぼっていると推薦入試はあきらめることになる。
教師にとって,最大の関心事は何か?
給料?
いやそれも関心なくはないが,最大の関心事は,
「授業の成立」
これができていないと教師のアイデンティティーが崩壊するのだ。
だから現行のような制度がなくならないのである。
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読まないでって言ったのに・・・
でも,そう書いて読まない人って?
そう,読んでもらうためにそういう挑戦的なタイトルにしてるんやからなあ・・・
でも,また本当のことを書いてしまった・・・
怒られるぅ・・・
だから,誰にやねん?