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尾崎塾
富田教室

[2012年12月21日]

時間割と将棋

学校教務の仕事の中で,最もたいへんな作業=時間割作成。

毎年3月末には新年度の時間割を組まないといけない。
これが膨大な作業になるのだ。
教員の数が100名ほどいて,それぞれに都合がある。
非常勤の先生などは,来る曜日が決まっている。
理科の実験室,体育のグランドや体育館の使用状況,家庭科や情報科などの実習科目など,教場の制約もある。
各学年,分掌ごとに会議の時間も確保。
こういうのをすべて加味しつつ,どのクラスもバランスよく教科を配分しないといけない。
たとえば,数学が月火水に固まってしまったりしないように,月水金に割り振るとかの配慮をする。

いろんな条件が重なるのを処理するのはコンピュータの得意分野だと思うだろう。
実際,いろんな会社が学校用に時間割作成ソフトを販売している。
img1   ↑たいていこんな画面
で,最新のソフトで試してみると・・・・
「作成不能」
条件が多すぎて不可能だというのだ。
これが人間だとできてしまうのが面白い。

普通に考えると途方に暮れるような作業だが,これを結構楽しんでやっていた。
詰将棋に似ているのだ。
たとえば,A先生のコマを月曜3限に入れたい。
しかし,B先生が既に入っているとする。
B先生を他の日に動かすことができない場合,B先生を2限目にずらして,2限目のC先生を他の曜日に移ってもらうなどは3手詰めだ。
これくらいならどの先生もできるが,5手,7手となればなかなか難しい。他の先生が悩んでいるのを「奪って」自分が解決することもあった。
理科の教科主任をしていた時は,逆に教務に教員の時間割配当をお願いしに行く立場だった。
理科は物理と生物は平行して授業するとか,実験室の都合などで組むのが難しい。
「きっとこれは組めないだろうな」と思っていたら案の定,教務の先生が「無理です」と言ってきた。
無理でないことがわかっていたので,時間割作成現場に行って自分で組み入れたこともある。
たいていは,教務担当が「無理」といえば教科主任は納得するのだが,「無理でないのだから入れてもらわないとなぁ・・・」と考えていた。
できる人間とできない人間がいて,コンピュータよりも人間が勝っているのも将棋に似ている。
そういえば電脳戦で亡くなった米長さんが負けたりしてたが・・・ということはそろそろ実用時間割作成ソフトができる頃?

教務の時間割担当になると,年度始めだけでなく,日常の時間割変更の仕事もあるのでかなり忙しい。
中には理不尽な要求もあって,困ってしまうこともある。
校務上で必要であれば何とでもするが,実は個人的な都合だったりするので気を付けないといけない。

つづく



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