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尾崎塾
富田教室

[2012年12月29日]

文部科学大臣の野望

先日,新聞の「心病む先生」の記事をとりあげた。
正しく認識できている人が少ないと思うので補足しておく。

あれを見て,気の毒に思うかもしれない。
論調は,心のケアをするなど対策をして,2年連続で休職教員が減ったが,それでもなお5000人もいるという話。教員はいろんなストレスが多く,メンター教員を配置して支援するなど対策を考えているとのこと。学校っていじめ対応やモンスターペアレンツなどもいて大変だなーって感じで書いている。

でも,コレはちゃんと仕事をする力量がないから病気になるのであって,全く生徒や保護者にとっては知ったこっちゃないのである。
自分が処理できる容量を越す仕事が入ってくると,病気を口実に休職してしまう。
ヤバくなったらすぐに入院する政治家と同じ手口だ。
生徒や保護者はきっちりとした指導力を求めているのであって,何も特別なことを要求しているのではない。
ここが最も重要な点であって,テレビや新聞の報道で欠けている点なのだ。
だいたい,テレビって,教育問題が話題になるといつもあのオカマっぽい先生しか出てこない。それだけで,何も考えて報道していない証拠だ。

モンスターペアレンツも,力量のない学校が世間に同情してもらうために創ったものだ。
自分の指導力のなさを指摘する保護者は当然いる。
それに適切に対処する能力がないから,保護者の方の反応がだんだんと過激な方向へ行ってしまうのであって,これは親としては当然のこと。
数日前に五体不満足の乙武さんがTVに出演していた。
小学校の先生をやって,校庭で花見をしながらクラス会をやったら,同僚の先生方に勝手なことをするなと注意されたらしい。
理由は,乙武さんのクラスだけそういうことをすると,他のクラスからクレームが来るというものだ。
これなどは典型的な例で,それはクレームではなく「要望」なのである。
自分の子供のクラスもそのようなことをやって欲しいと思うのは当然なのであって,それを全部のクラスでやればいいだけの話だ。
学校側は,そういう「要望」に応える姿勢と力量を持つべきなのに,そうでない方向=先生が楽な方向=保護者の期待に背く方向へと進もうとする。
そこが根本的な大問題なのである。
せっかく「要望」を寄せて下さっている保護者に対して「モンスター」はないだろう。
最初に失礼な対応をされたら噛みつきたくもなる。

それで精神的な疾患か何かで休職する教員が公立だけで5000人を超えている。
正しく保護者・生徒の要望に応える能力を持つ教員ならば病気にならない。
そのような教員を養成することこそが急務なのである。

そこで今回の文部科学大臣。
予想どおり下村さんになった。

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この人,何を隠そう・・・元は塾の先生なのだ。
だから,ある意味教育には精通している。
ところが,塾側にいると学校の中身はなかなか見えてこない。
ひょっとしたら本当にモンスターペアレンツがいると思っているかも。
いろいろと政策を考えておられるだろうが,まず,謙虚に公教育の現場をしっかりと理解することから始めていただきたい。
こういう教育に通じていると自負している人が大臣になると,現場を混乱させるだけで実効性のないことをやってしまう可能性があるから注意が必要だ。
昨日の記事は,まず「いじめ」とか「教育委員会」といった,世間でさわがれている内容について急いで着手するということだった。

そんなもの,実はどうでもよい。
「いじめ」がどうでもいいのではなく,「いじめ」は全く教師の力量の問題だからだ。
要するに,教員の能力向上を急務とすればよいだけの話。
教育委員会も別に機能しようがしまいが関係ない。
現場の教師がちゃんとやっていたらいいだけの話。
それを教育委員会に権限をもたせたりしても無意味。
教育委員会の人の力量がはなはだ疑問だからだ。
ほんとうに現場で指導力を発揮できる教員が,多くの若い教員をしっかりと鍛えて能力を身に付けさせる。
そういう新たな仕組みをつくらない限り,学校現場は何も変わらない。

下村さんなら塾の教師に研修が不可欠なことを知っているはず。
しかし,公立の学校で,教員に対してまともな研修をしていない実態を知らないのではないか。
教育大学を卒業して採用試験に合格すれば,いきなり学校で他の先生と対等な教員になる。
研修などせずに現場に入るので,見よう見まねでやるしかない。
その見まねされる教員たちがロクでもないのだから,新人もロクでもない教師に育っていくのはあたりまえだ。
一方,ちゃんとした塾なら研修をしっかりやるし,まともな先輩講師がアドバイスしたりするだろう。
それでも力量がつかないならクビになる。
公立の学校は,研修無しで力量がなくてもクビにならない。
どう考えてもココに根本的な問題があると思われる。

元塾業界の人だけに,公教育をますますダメにして塾を繁盛させるという利益誘導政策だけはやらないようにしてもらいたい。


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