[2013年1月18日]
「この震災を風化させてはいけない。」
と言うのは簡単。
しかし,これは風化するのが必然であることの裏返しでもある。
文字通り岩石が風化するのと同じで,年月が経てば風化する。
これを防ぐにはどうすればいいか。
神戸の震災の後,根本的に変えないといけないと思った。
神戸大学で我々は活断層を学んだが,肝心の神戸市民は活断層という言葉すら知らなかったのだ。
直下型地震が来ることを知らなかったら大勢死ぬに決まっている。
学問と実際の世間の生活がつながっていなかった。
つなげる方法は。
学校教育しかない。
たしかに,当時はさかんに報道していた。
ところが1年も経たないうちに,バラエティー番組が復活。
復興という言葉は忘れ去られていくのと同義なのだ。
マスコミは所詮サイエンスのわからない人の集団。
それに視聴率=利益優先であって,命優先ではない集団。
お金にならない防災の話題を報道する義務はない。
結論としては,義務教育で防災教育を徹底しなければ,再び同じように多くの死者が出るということ。
震災後,神戸大での調査結果は地質学会で発表した。
その年の学会には確かにマスコミもたくさん報道に来ていた。
大阪の地学教育研究会で,神戸の震災は「教育災」であると発表した。
勤めている学校の研究紀要にも一般向けに「活断層の基礎知識」を書いた。
しかし,それで世の中が変わるかというと,ほとんど変化しなかった。
残念ながらそれが証明されてしまったのが東日本大震災だった。
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